【新型ディフェンダー開発の舞台裏】5人の重要人物にインタビュー 後編

公開 : 2020.05.10 18:50

エミリー・グリーンハウ:インテリア&ボディ・イノベーション・マネージャー

素晴らしいチャンス 未来とはディフェンダー

2013年当時、エミリー・グリーンハウは、ニック・ロジャースから2週間でランドローバーブランドの未来に向けた新たなアイデアを考え出すというミッションを与えられた新卒エンジニアのひとりに過ぎなかったが、これが素晴らしいチャンスをもたらすことになったと彼女は言う。

「ニックは別のプロジェクトに対応しなければならなかったので、われわれが彼のオフィスを使えるようになったのです」と、グリーンハウは話す。

エミリー・グリーンハウ:インテリア&ボディ・イノベーション・マネージャー
エミリー・グリーンハウ:インテリア&ボディ・イノベーション・マネージャー

「彼はわたし達に、『ランドローバーに新たなエネルギーをもたらすことが出来るのは君たちだけであり、これまでの延長線上に未来はない』と言ったのです」

「すぐにその未来とはディフェンダーのことだと分かりました。そして、どうやってシリーズ1からの伝統を活かすべきかを考えました」

「わたし達に求められていたのは新たな思考と革新であり、すでに市場に存在しているようなモデルを創り出すことではありませんでした」

グリーンハウと彼女のチームは、1948年に誕生したシリーズ1だけでなく(ロジャースは自身が所有するシリーズ1を彼らに体験させている)、トラクターや消防車、さらには(外装パネルの取り付け方法を学ぶため)ロータススポーツカーまで参考にしている。

熱心な議論 何か新しいこと

彼らは「残すもの」、「新たに創り出すもの」、そして「採用するもの」という3つの項目に基づいてアクションリストを作成すると、幅4mの壁いっぱいにアイデアを書込み、時には「幹部」も巻き込んで毎日熱心な議論を行ったと言う。

その結果が、キャビン・クロスビーム(「デザイナーたちが素晴らしいアイデアを出してくれました」)や高い位置に設置したギアシフター、セントラル・フロントシートとバーチカル・ウイング・ミラー(「オリジナルのシリーズ1への回帰です」)、さらにはリアボディに設けられたアルペンライトなどといったものだ。

グリーンハウ:「何か新しいことをしなければならないと分かっていました」
グリーンハウ:「何か新しいことをしなければならないと分かっていました」

「いま思い返すと、こんな風に新型ディフェンダーに自分たちのアイデアが採用されるなどと何故信じられたのかと思います」

「もちろん、社内のベテランスタッフからも沢山のサポートがありましたが、わたし達全員、何か新しいことをしなければならないと分かっていました」

グリーンハウはその後も新型ディフェンダーに関わり続け、多くの時間をロブ・アトキンスのもとで働いている。

いま彼女は将来のインテリアデザインをリサーチする新たなチームを率いている。

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