【詳細データテスト】 フォード・クーガ モーター制御に経験不足が明らか スポーツサスの乗り心地にも不満あり

公開 : 2020.07.04 11:50

結論 ★★★★★★★☆☆☆

クーガはこの3代目でも、フォードのポピュラーなSUVにとってわかりやすく喜ばしい特色を備えている。

今回テストした完全新設計のプラグインハイブリッド仕様は、ダイナミクスとエルゴノミクスに不満がなかったわけではないが、心地よさと広さには感心する。

結論:バリューに優れ燃費性能のポテンシャルも高い。しかし、まだまだ改善の余地あり。
結論:バリューに優れ燃費性能のポテンシャルも高い。しかし、まだまだ改善の余地あり。

そして、これより軽くてシンプルなバージョンだったなら、乗り心地やハンドリングはクラストップになってもおかしくないだろうと示唆するようなエビデンスも見出せた。

ファミリーカーとしても魅力的で、英国ではクーガ購入者の3分の1に及ぶPHEVオーナーは、傑出したEV航続距離と競争力のある価格の恩恵に預かれるだろう。

われわれがこうしたエンジニアリング主導のメーカーに望むのは、電動パワートレインの精密かつ巧みな制御だ。今回のテストでは、経済性とパフォーマンスの良好さは明らかになったが、走りの細かい部分からはハイブリッドカーにおけるフォードの経験不足が露呈した。

これまでにも、競合相手となる背の高いプラグインモデルをテストしてきたが、そこからわかったのは、まっとうなクルマに仕上げるのは難しいということだ。このクーガも総体的に見ると、フォードの背の低いハッチバックにあるような決定打を放ててはいなかった。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーン

クーガのEV走行モードはおおむね納得できるものだが、パフォーマンスはエンジンとモーターの両方をフルに使った場合に比べると、驚くところもないほど限定的だ。テスラモデル3のような加速は期待しないように。

マット・ソーンダース

クーガのほとんどは前輪駆動だが、ディーゼルのトップグレードである2.0L版には四輪駆動も設定される。悪路走行の機会が少なくないのであれば、これは使える仕様だ。

オプション追加のアドバイス

装備内容と価格のバランスがベストなグレードはタイタニウムだ。ホイールサイズも分別ある範疇にある。10ウェイ電動調整シートは550ポンド(約7.7万円)だが、これは購入前にじっくり試して決めたい。パノラミックサンルーフは995ポンド(約13.9万円)と安くはないが、インテリアの雰囲気を明るくしてくれる。

改善してほしいポイント

・インテリアはルックスと質感の向上を。硬いプラスティックはなくしてもらいたい。
・電力走行時の走り出しとブレーキフィールはもっと巧妙に。どちらもプログレッシブさが足りない。
・キャビンに侵入するロードノイズはもっと抑えてほしい。

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