【詳細データテスト】 フォード・クーガ モーター制御に経験不足が明らか スポーツサスの乗り心地にも不満あり

公開 : 2020.07.04 11:50

走り ★★★★★★★☆☆☆

ウェイトは、やはりパフォーマンスの大敵だ。0-100km/h加速タイムをみると、このクーガPHEVは9秒以上かかるが、これより582kg軽いフィエスタSTは200psで6.5秒をマークする。

たしかにオーバーテイクは、ためらいなく済ませてくれるだろうが、224psというシステム出力から期待するようなフィールをもたらしてはくれない。

ウェイトがパフォーマンスに悪影響を与えているのはたしかだ。しかし、もっと気になるのは、モーターでの発進が唐突で、エネルギー回生からフットブレーキでの減速への移行がスムーズでないハイブリッドシステムの制御だ。
ウェイトがパフォーマンスに悪影響を与えているのはたしかだ。しかし、もっと気になるのは、モーターでの発進が唐突で、エネルギー回生からフットブレーキでの減速への移行がスムーズでないハイブリッドシステムの制御だ。

トヨタRAV4ホンダCR-Vのハイブリッドは、クーガPHEVより元気な加速をみせる。大容量バッテリーもプラグイン充電機構も備えていないにもかかわらずだ。

それでも、クーガPHEVが遅く感じられるというわけではない。スタンディングスタートやほどほどのスピードからの加速では、スロットルレスポンスはこのクラスの水準からすればじつにシャープ。たっぷりあるトルクを利して、走り出しにみせるモーターアシストを受けての爆発的な加速を、ほんの数秒間で終わらせずに維持する。

フルスロットルではCVTらしさが際立ち、エンジンは唸りを上げて一本調子に回り続けながら、トランスミッションが変速比を調整して速度を上げていく。しかしほとんどの間、このハイブリッドパワートレインはほどよくしつけられたところをみせる。

バッテリーを使い切った場合、巡航時の燃費は15.6km/Lをマーク。フル充電ならば、データ上では120km/h巡航でその倍ほどの燃費を稼げるということになっている。

残念だったのは、街乗りでのふるまいが冴えなかったこと。走り出しはあまりにも唐突だ。モーターの立ち上がりが急激で、意外なほど急発進になってしまう。ブレーキングも同様で、回生ブレーキからディスクブレーキへとスムースに移行できない。

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