【乗り心地だけじゃない】エアサスペンションの秘密 運転の楽しさにも貢献 仕組みと用途

公開 : 2020.10.01 18:25

エアサスペンションは、金属のスプリングよりも制御範囲が広く、防振効果に優れています。乗員の快適性を向上させるだけでなく、車高の上下や走行モードに合わせた硬さの調整など、幅広い用途で活躍しています。

もくじ

普及しつつあるエアサス
最大の特徴は柔軟性の高さ
進化を続ける足回り

普及しつつあるエアサス

text:Jesse Crosse(ジェシ・クロス)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

エアサスペンションは、かつては一部の高級車にのみ搭載されていたが、その汎用性の高さから、現在では幅広いモデルに採用されている。

エアサスペンションは快適な乗り心地を実現するが、用途はそれだけに限らない。例えばSUVの乗り降りを容易にするために車高を低くしたり、高速走行時の空気抵抗を減らしたりすることができる。

空気を「ばね」に利用するエアサスペンション。
空気を「ばね」に利用するエアサスペンション。

日常の走行では車高を上げることで運転を楽にし、オフロード走行時にはグランドクリアランスを確保する。さまざまな走行モードに柔軟に対応することも可能だ。

エアサスペンションは、磁気レオロジーアダプティブダンパーや可変剛性アンチロールバーなど、あらゆる種類の減衰システムと組み合わせて使用することができる。

ユニットは、既存のコイルスプリングに代わり、サスペンションストラットに組み込まれている。また、エアスプリングはダンパーとは独立して利用(特にリア)することもできる。空気の「スプリング」自体は、通常、丈夫で柔軟性のあるエアバッグによって形成されている。

このエアスプリングには様々な種類やサイズがあるが、結果的にはスチールコイルスプリングと同じ働きをする。圧縮空気を使用し、弾むような動きをする。空気がより圧縮されることで抵抗力が増し、弾力が強くなる。

最大の特徴は柔軟性の高さ

トラックやバスに使用されるようになった当初は、かなり粗雑なものだったが、今ではマイクロプロセッサーで制御された精密なシステムになり、従来のスプリングよりもはるかに優れた性能を発揮する。

スチールスプリングとは異なり、エアスプリングのサスペンションのたわみ(サスペンションの移動量)は荷重に比例しない。そのため、エアスプリングは従来のスプリングの機能だけでなく、車高を上げたり下げたりすることができるのだ。

エアサスはポルシェの人気オプションとなっている。
エアサスはポルシェの人気オプションとなっている。

エアスプリングの空気圧はコンプレッサーから供給され、通常はスプリングの作動中に瞬間的な圧力を供給するためのリザーバーが備わっている。

エアスプリングが進化するにつれて、その複雑さと機能も必然的に進化してきた。

車高の可変だけでなく、さまざまなドライビングモードに対応しており、個々のドライビングスタイルに合わせて設定を適応させることが可能だ。また、積載量が多い場合や牽引時にクルマが傾くのを防ぐために、ロードレベリングにも使用できる。

より洗練されたシステムの例としては、ポルシェの3室式エアスプリングがある。コンフォート、スポーツ、オフロードの設定をより効果的に変化させることができるものだ。その名の通り、各ストラットは3つのチャンバーに分かれており、走行モードに応じて使い分ける。

コンフォートモードでは、3つすべてが作動して空気量を最大化し、快適性を向上させる。スポーツモードでは2つ、スポーツプラスでは1つが作動し、圧縮空気を減らすことでスプリングを硬める。

 

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