【ブランド末期の隠れた名車】 ローバー75とMG ZT 英国版クラシック・ガイド 後編

公開 : 2020.12.20 18:25

ローバーとして、最後の大型4ドアサルーンとなった75。BMWから開発資金の提供を受け、イメージ以上に優れた内容を備えています。MGから、スポーティーなZTも展開されました。英国編集部がその魅力と注意点を解説します。

もくじ

ローバー75とMG ZTの中古車 購入時の注意点
不具合を起こしやすいポイント
ローバー75とMG ZT まとめ
ローバー75/MG ZT(1999〜2005年/英国仕様)のスペック

ローバー75とMG ZTの中古車 購入時の注意点

text:Malcom McKay(マルコム・マッケイ)
photo:James Mann(ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ローバー75のV型6気筒2.5Lユニットは、177psを発生。MG TZでは162psか192psに設定されている。192psあれば、0-96km/h加速8.5秒、最高速度225km/hを与えてくれる。

ベースの1.8Lエンジン版を除き、75は活発に走る。正確な操縦性と洗練性という、好印象なブレンドに仕上がっている。MG ZTならタイトなハンドリングを楽しめる。

MG ZT(2001〜2005年/英国仕様)
MG ZT(2001〜2005年/英国仕様)

だらしない揺れが伴う場合は、ショックアブソーバーやボールジョイントの賞味期限切れ。サスペンション周りのリフレッシュには、1000ポンド(14万円)程度の予算は見ておきたい。

75のディーゼルエンジンは、24万km程度は普通に走る。適切に整備していれば、リビルドなしで48万kmを超えることも可能だ。

4気筒ガソリンのKシリーズ・エンジンは、暖気時間を短くするために、冷却系の容量が小さめに設計されている。そのかわりプラスティック製のインレット・マニフォールド付近からクーラントが漏れ始めると、オーバーヒートやガスケットの不具合を招きやすい。

クーラントにキラキラ光るガスケットの破片が混ざっていないか、暖気終了後にホース周りから漏れが見られないか、購入前に確認したい。排気ガスの白煙も正常ではない。

ヘッドを掃除し、複層構造のガスケットを純正ボルトで固定すれば、不安は解決。長く故障知らずで乗れるだろう。それ以外、Kシリーズは堅牢。交通状態にもよるが、リビルドなしで32万kmは走る。

もちろん、事前に整備記録を確認することも忘れずに。近年に大きな空白期間があるなら要注意。古い整備記録は、あくまでも過去の整備だ。

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

塗装の剥がれや退色、玉虫色のショットシルクなどの修復は安く済まない。錆は深刻になるケースは少ないものの、サイドシル周りやホイールアーチ、フロア、サブフレームなどは要確認。

エンジン

タイミングベルトは、KV6エンジンで6年か14万4000km毎、K4エンジンで5年か9万6000km毎の交換が推奨。

MG ZT(2001〜2005年/英国仕様)
MG ZT(2001〜2005年/英国仕様)

冷却系からの漏れや、冷却ファンの動作、オーバーヒートの跡などを確認する。オイルフィラー・キャップの裏に乳化したオイルが付いている場合、そのクルマは選ばない方が良い。

KV6は高性能な4カム4バルブ・エンジンで、基本的にはトラブルフリー。サーモスタット・ハウジングの不具合には注意したい。BMW製のディーゼルエンジンも壊れにくい。

1.8LのKシリーズは、ヘッドガスケットが弱点。メンテナンスが適正なら、問題は起きにくい。

トランスミッション

クラッチ・スレーブシリンダーの交換には、トランスミッションを降ろす必要がある。クラッチの部品も高め。フルードの漏れや、ATの変速飛びがないか確かめる。

サスペンションとブレーキ・ホイール

ボールジョイントやドロップリンクの状態を確認する。サスペンション・コイルの破断やダンパーからの液漏れにも注意。リア・アッパーアームとスプリング、ブレーキパイプ、エグゾースト周り、燃料タンクなどは腐食しやすい。

ブレーキディスクの摩耗や腐食、ホイールのガリ傷や腐食も確かめたい。

インテリア

エアバッグ警告灯が点きっぱなしでは、車検に通らない。すべての機器が正常に機能することを確認する。サンルーフ周りなど、雨水の排水系が詰まると漏水し、ダッシュボード下のECUを傷める原因になる。

シートのクロスやレザーは、縫い目から破れてくる。サイドサポート周りは特に傷みやすい。レザーは比較的長持ちする方だ。

 

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