【復活を夢見たエラン】ビーガンチューン・エバンテ140 TC オリジナルのツインカム 後編

公開 : 2021.03.13 17:45

ビーガンチューン・エバンテ140 TC。ボディキット付きのエランではありません。1人のエンジニアが生み出した、エラン・ベースのオープンスポーツをご紹介しましょう。

もくじ

エラン固有のシンプルなフォルム
活気あふれるツインカムVTAユニット
中毒性のあるエバンテの走り
改めて実感する小さなロードスターの魅力
ビーガンチューン・エバンテ140 TC(1987-1993年)のスペック

エラン固有のシンプルなフォルム

text:Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)
photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ビーガンチューン・エバンテ140 TCのスタイリングは、オリジナルのエランから遠くは離れていない。固有のシンプルなフォルムが、1980年代に合わせて少し手が加えられている程度。

リアのリップスポイラーと、好戦的なフロントマスクが観察できる違いといえる。ドアの形状はまったく同じ。フロントガラスにも手は加えられていない。

ビーガンチューン・エバンテ140 TC(1987-1993年)
ビーガンチューン・エバンテ140 TC(1987-1993年)

リトラクタブル・ヘッドライトも、エランのまま。バキューム圧ではなく電動モーターでの動作に改めてあるが、こちらも完璧に機能するわけではなかったようだ。テールライトは、トライアンフTR7のものが流用された。

今回ご紹介する、ブリティッシュ・グリーンに塗られた1989年式のエバンテ140 TCの場合、さらに大きな手が加えられている。ロータスの特長でもあるバックボーン・シャシーは取り払われ、チューブラー・スペースフレームが組まれている。

5速MTやディファレンシャル、低速ドライブシャフトなど、駆動系統のほとんどはフォード・シエラ譲り。ロータスの弱点でもある、ドーナツ状のラバーカップリングという弱点も一掃してある。

サスペンションも一新。エランとエリートに採用されていたチャップマン・ストラットと呼ばれた構造は、ダブルウイッシュボーン式へ変更されている。

ボディもオリジナルのエバンテとは異なり、マット状ではなくクロス状のFRPで再成形。バルクヘッドやドア、フロントガラスまわりは、補強としてダブルスキン構造が採用された。クラッシュ時に備えて、内側には樹脂フォームが充填されている。

活気あふれるツインカムVTAユニット

車内はロータス・エランの名残りが強いが、実用性と安全性、快適性を高めるために、多くの改良が施されている。ウッド製パネルのダッシュボードは当時複数の木材から選択が可能で、シートはリクライニングも可能。丁度いい運転姿勢が見つけやすい。

シートは上質なコノリー・レザー張り。センターコンソールやドアパネルはレザーで仕立てられ、とても文化的な雰囲気がある。

ビーガンチューン・エバンテ140 TC(1987-1993年)
ビーガンチューン・エバンテ140 TC(1987-1993年)

このエバンテで少し残念な点といえば、フォード由来のスイッチ類。エスコートそのままの、プラスティック製だ。ウインカーレバーもフォードの商用車的な雰囲気がある。

しかし一度シートに座り、タイトなペダルレイアウトに足を伸ばせば、クラシックなブリティッシュ・スポーツに乗っているという感覚に包まれる。

エランを愛する人からすると、このスタイリングは議論を呼ぶものかもしれない。だが、エバンテで注目するべきはボンネットの内側に宿るVTAユニット。激しい吸気ノイズが唸り、活気あふれるエグゾーストノートを放つ。

マツダ・ロードスターにも似ているというイメージは、エンジンを始動した瞬間に打ち砕かれる。荒々しいアイドリングやステンレス製のテールパイプの響きは、洗練とは無縁。

重いクラッチをつなぐ前に、エンジンをブリッピングしてみる。痛快なサウンドが響く。クラッチペダルを放しアクセルペダルを踏み込むと、リアタイヤは簡単にホイールスピンしだす。

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