【新しさとスタイルで選ぶ】アウディQ5 スポーツバック 45 TFSIへ試乗 マイルドHV 後編

公開 : 2021.04.22 19:05

アウディらしい上質さとパフォーマンスを備え、実用性にも不足ないQ5 スポーツバック。メカニズムはQ5と同じクロスオーバーを、英国編集部が評価しました。

ドライビング体験も上質でラグジュアリー

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいアウディQ5 スポーツバックの車内で足りないものの1つに、インフォテインメント・システム用の入力インターフェースがある。タッチパッドやロータリーコントローラーの類はなく、ダッシュボード中央のタッチモニターによる操作のみだ。

実際に使ってみると、便利なショートカットキーが並び簡単に操作できることがわかった。タッチモニターのサイズも、10.1インチとタブレット並みに大きい。

アウディQ5 スポーツバック 45 TFSI Sライン・クワトロ(欧州仕様)
アウディQ5 スポーツバック 45 TFSI Sライン・クワトロ(欧州仕様)

インテリアの設えはアウディらしく、組み立て品質や素材の質感には感心させられる。試乗車の場合、ブラックとブラウンのコンビネーション・レザーに風合いのある木パネルが用いられ、新鮮で心地いい空間にコーディネートされていた。

アウディの内装といえば、ブラックかグレーのレザーにアルミニウムかカーボンファイバーのトリム、というイメージだと思う。歓迎したい内装の変化だ。典型的な欧州仕様のクルマに流されていたのかもしれない。

Q5 スポーツバックのドライビング体験も、インテリアのように上質でラグジュアリーな印象が漂う。

試乗車のエンジンは2.0L 4気筒ガソリンターボで、グレード名は45 TFSI。マイルド・ハイブリッドで、最高出力264ps、最大トルク37.6kg-mを生み出し、余裕を感じさせるものだった。

柔軟で扱いやすく、アクセルレスポンスも鮮明。その気になれば、レッドラインめがけて回転数は跳ね上がる。

運転に夢中になれるほどではない

現実的な燃費は、アウディQ5 スポーツバックで残念なポイント。普通に運転していて、10.5km/L以上を得ることは難しいかもしれない。とても滑らかで、余力ある走りとの引き換えとはいえる。

風切り音は上級のクロスオーバーとしてはやや大きいようだが、高速巡航時のメカニズムの洗練性は、第一級といっていいだろう。

アウディQ5 スポーツバック 45 TFSI Sライン・クワトロ(欧州仕様)
アウディQ5 スポーツバック 45 TFSI Sライン・クワトロ(欧州仕様)

アウディがSトロニックと呼ぶ7速デュアルクラッチATは、動作が目立たないように、しずしずと変速をこなす。ドライバー自ら段数を選んでパワートレインの本領を発揮させるような場面では、この価格帯のモデルに期待するとおり、キビキビと反応してくれる。

試乗車にはエアサスペンションが装備され、通過する隆起部分や路面の剥がれの入力をうまく吸収してくれていた。ボディはフラットに保たれ、高速域での姿勢制御にも優れる。

反面、ステアリングホイールの操舵感は軽く、レシオは特段クイックなわけでもない。フィルターがかかったように、手のひらへ伝わる感触も薄い。

操縦性のバランスや姿勢制御など、シャシーは高速域でも目をみはるほどの安定性と落ち着きを実現させている。しかし、機敏さやコーナリングでの充足感を求めた設定とはいえない。

Q5 スポーツバックのドライブトレインの印象はイイ。でも運転に夢中になれる、というほどではないだろう。

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