【クルマ好きに不思議と刺さる】フィアット・パンダ・クロス4×4試乗 2気筒に惚れる

公開 : 2021.04.23 05:45  更新 : 2021.10.09 22:30

フィアット・パンダ・クロス4×4に北海道で試乗。クルマ好きに不思議と刺さるイタ車の魅力をお伝えします。

イタリア車はピンとキリこそ味が濃い

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

仕事柄、「最近なにか凄いクルマに乗りましたか? 」と聞かれることが多い。

そんな時はとりあえずスーパースポーツカーとか、超高額車の名前を挙げると「ヘェー、そーなんだー」と納得してくれたりする。

フィアット・パンダ・クロス4×4
フィアット・パンダ・クロス4×4

けれど先日「最近何か面白いクルマ乗った? 」と聞いてきた友達がいた。

エッ、面白い?

ポルシェタイカンは面白いというより「凄い」だよなぁ……

とその時、黄色い小粒な1台が思い浮かんだ。北海道で試乗したフィアット・パンダ・クロス4×4(フォーバイフォー)である。

米/仏/日/英/独、色々な国籍のクルマを愛車にしてきたが、不思議とイタリア車には縁がない。

ピンとキリではないけれど、気になるイタ車はいつもスーパーかスモールの2択になる。現行モデルならフェラーリF8トリブートか、フィアット500ツインエアか。

車両価格がまるで違う2台だが、スピードや場所を選ばず、普通に走らせるだけでご機嫌になれるキャラクターはよく似ていると思う。

初代のフィアット・パンダの4×4は以前から大好きな1台だった。

コンパクトでお洒落、しかもタフな見た目のパンダはずっと一定数の熱烈なファンがいて、今なお中古車市場で高値安定である。

現行のパンダはボディが丸っこく、しかも5ドアになってしまっているが、実用性や車格を考えればパンダ4×4の末裔と呼んで間違いないだろう。

限定150台、決め打ちの潔さ

フィアット500の圧倒的な人気に押されがちなフィアット・パンダだが、小粒なボディに機能を詰め込んだ5ドアのミニマム実用車として根強い人気を誇っている。

3代目となる現行型のデビューが2011年なので、現在販売されている輸入車としては最古参の部類に入るはずだ。

フィアット・パンダ・クロス4×4
フィアット・パンダ・クロス4×4

とはいえベースとなっているパンダ自体にちゃんとアップデートが施されているので「古い」という感じは皆無である。

パンダ・クロス4×4は昨年10月に発表された限定モデルだ。パンダ・クロス自体は2014年に発表されているし、パンダ4×4はこれまでも何度か限定販売されている。

だがパンダ・クロスが正規輸入されるのは今回が初めてとなる。

パンダ・クロスの最大の特徴は、グンッと持ち上げられた車高にある、というのは目の錯覚で、実際はタイヤ・サイズも含めてパンダ4×4と一緒。

バンパー下の銀色のアンダーガードやサイドシル上のフィニッシャーのおかげでクロスオーバーらしさがアップしているのだ。

黒い樹脂パーツがヘッドランプまわりからホイールアーチを伝ってボディをグルリと一周しているデザインも、クロカン的タフさとお洒落を両立していて見事だと思う。

限定車のボディカラーはパステルイエローのみ、パワートレーンはツインエア+6速MTという決め打ち感が潔い。

150台のみの個性派なのだから細かい選択肢はいらないと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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