【英国流マッスルカーたち】フォード・コルティナ ローバーP6B 3500Sほか 後編

公開 : 2021.06.20 17:45

英国でマッスルカー文化は一般化しなかったものの、大排気量エンジンが積まれたモデルは何台もありました。英国編集部がその一部を振り返ります。

3.0L V6を載せたフォード・コルティナ

text:Martin Buckley(マーティン・バックリー)
photo:C&SC Archives(C&SCアーカイブス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
フォードが生み出した3.0L V型6気筒エセックス・ユニットは魅力的だっただけに、コルティナへ載せられるのも時間の問題だった。実際、もとレーシングドライバーだったジェフ・ユーレンが、Mk2のコルティナ・サベージへ換装し販売している。

フォードの工場で公式に作られていたわけではない。でも、英国のマッスルカーとして加えたい1台だと思う。

フォード・カプリMk1(1969年/英国仕様)
フォード・カプリMk1(1969年/英国仕様)

ユーレンは、エンジンの載せ替えを文化的で安全に実行した。4シーターの4ドアサルーンとして、当時1365ポンドという価格も妥当なものだった。3.0Lのカプリに対抗できる、典型的な英国のマッスルカーと呼べるだろう。

そのカプリも、1969年に1300ポンドという価格以上の加速性能を備えていた。MTのギア比には少し癖があったけれど。Mk2やMk3でも手頃な価格のハイパワーは維持し、2.8Lのインジェクションも追加されている。

ユーレンは、Mk3のコルティナでもV6エンジンへのコンバージョンを提供。フォードはMk4の2.3Lユニットまで、公式には6気筒エンジンをコルティナへ載せることはなかった。この珍しいコルティナ2.3 GLも、その速さで筆者が評価する1台だ。

英国オペル、ヴォグゾールは、1960年代に高性能モデルへ興味を明確に示すことはなかった。しかし素性の良さから、エンジンとトランスミッションの組み合わせ次第では、俊足のクルマに仕立てることも可能だった。

ヴォグゾール・クレスタとトライアンフ2.5 PI

1965年、ヴォグゾールの技術者はシボレー由来の直6エンジをベースに、排気量を2.6Lから3.3Lへ拡大。4速フロアのMTを組み合わせれば、PB型クレスタとヴェロックスというファミリー・サルーンを、1000ポンド以下の高性能モデルへ仕上げられた。

オーバースクエアのユニットで、最大トルクは24.1kg-m/2200rpmと低回転域型。0-97km/h加速は11.6秒で、当時の3.4Lのジャガー並みに速いほど。車重約1360kgの見た目より軽いボディが、加速を助けた。

トライアンフ2.5 PI(1968年/英国仕様)
トライアンフ2.5 PI(1968年/英国仕様)

3.3Lエンジンを載せたPB型は、短寿命に終わる。コークボトルラインを得た後継モデルのPC型では、目立った活気を得られていない。

ヴォグゾールはFE型ヴィクターに3.3Lのエンジンを載せ、客離れを防ごうとしたが不発。1970年代が始まろうという時に、大きなエンジンで165km/hの最高速度と6.0km/Lという燃費は、英国市民には受け入れられなかった。

トライアンフは、2.5Lの直列6気筒エンジンを中型のサルーンに載せ、英国に順応したユニークなマッスルカー的モデルを古くから生み出していた。BMWが6気筒エンジンを3シリーズに搭載する以前から。

特に、コンパクト・ジャガーの消滅で空いた領域を穴埋めしてくれたのが、インジェクション・エンジンのトライアンフ2.5 PI。アグレッシブな純正ホットロッドとして、英国郊外で魅力を振りまいた。

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