【ザ・実用クラシックカー】ボルボ240 英国版クラシック・ガイド 安全で堅牢 後編

公開 : 2021.08.29 07:05  更新 : 2021.08.30 07:40

故障が少なく安全。そんなボルボのイメージを確立したモデルといえるのが、240シリーズ。実用クラシックカーの代表選手的1台を、英国編集部がご紹介します。

ブレーキが怪しければ、全体が怪しい

執筆:Malcolm Mckay(マルコム・マッケイ)
撮影:James Mann(ジェームズ・マン)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ボルボ240シリーズは、後期型になるほど性能や防錆性が高められている。だが、前期型が駄目というわけではない。ただし、初期の3速ATは性能を充分に引き出せずにいた。

購入する際は、4気筒オーバーヘッドカム・エンジンの状態チェックから。オイルフィラー・キャップを外し、エンジンオイルが乳化した痕跡、白濁がないか確かめる。数は多くないが、ヘッドガスケットの劣化を示す兆候となる。

ボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)
ボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)

エンジンの始動時や走行中、不自然な振動が発生しないかも確かめる。タイミングベルトは切れにくく、仮に切れてもピストンとバルブがぶつかることはない。

V6エンジンの場合は特に整備記録を確かめ、オーバーヒートなどの痕跡がないか確認する。調子が良ければ回転は滑らかだ。摩耗が進んでいる場合は、エンジンオイルの消費が多い。

トランスミッションは堅牢だが、フルード漏れなど基本チェックは欠かさずに。ボルボはオーバードライブをMTに長年採用し続け、1980年代半ばまで5速は登場しなかった。

ATの場合は、フルードが焦げていたり黒く濁っていないか確かめたい。リビルドのサインとなる。

240シリーズで共通してブレーキは強力。安全性を担保する機能としてボルボが重要視した部分といえ、試乗で違和感がある場合はクルマ全体の状態が怪しい。

パワーステアリングは、ラックからのフルード漏れがないか確かめる。ステアリングとサスペンションまわりのブッシュのヘタリも確認したい。ショックアブソーバーは寿命が短め。弾むような乗り心地なら、交換を前提としていいだろう。

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

フロントガラス周辺のピラーやスカットルが錆びやすい。フロントのストラット上部と、ボンネットのヒンジマウントも錆びるポイント。ほかにもバッテリートレイやラジエターのクロスメンバー、ホイールアーチ内やフェンダーなど、たくさんある。

シャシーレールやフロア、サイドシル、Bピラーの付け根、ドアの下側、スペアタイヤの収納スペースなど、見えにくい部分も要注意。ステーションワゴンの場合テールゲートのヘリの状態も観察する。

電気系統とインテリア

ボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)
ボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)

助手席の足元、左側にヒューズボックスがある。湿っていたり腐食が進んでいないか確かめる。ヒーターとエアコンなど、すべての電装品が正常に動くか、ステーションワゴンの場合はリアのライトやワイパーの動作も確認する。

シートの摩耗や濡れたカーペット、プラスティック製部品の破損や欠落がないか調べる。レザーシートのボタンは、なくなりやすい部品の1つ。シャシープレートを確認し、仕様やスペックが実車とあっているか確かめたい。

エンジン

V6エンジンは悪くないが、不具合が起きやすい。特に初期のユニットでは、エンジンオイルの経路が詰まり、故障に至る場合がある。

4気筒の方が堅牢だが、ヘッドガスケットの劣化や異常振動の有無は確かめたい。基本的なメンテナンスを怠らなければ、リビルドせずに32万km以上は使える。

トランスミッション

トランスミッションは基本的に堅牢。ATの場合は、フルードが黒ずんでいたり焦げた匂いがしないかチェックする。

MTの場合は、シンクロメッシュの動きやノイズを試乗で確認したい。1984年に5速が登場している。それ以前はオーバードライブが付いていた。

ステアリングとサスペンション、ブレーキ

試乗でステアリングに余計な遊びがないか確かめる。パワーステアリング・フルードの漏れがないか、各所をチェックする。サスペンションやブレーキはタフだが、当然、乗るほどに劣化や消耗は進む。

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