【静かで滑らかなTSI】フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSIへ試乗 従来以上の説得力

公開 : 2021.09.05 08:25

マイナーチェンジを受けた人気のクロスオーバー、VWティグアン。アクティブの1.5Lガソリンターボを、英国編集部が評価しました。

欧州でもガソリンエンジンの支持率が上昇

text:Simon Hucknall(サイモン・ハックナル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2016年に販売が始まった、フォルクスワーゲン人気のコンパクトSUV、2代目ティグアン。マイナーチェンジに合わせて、ガソリンエンジン版が英国初導入となった。

今回試乗したティグアン1.5 TSIはアクティブと呼ばれるグレードで、英国価格は2万9180ポンド(437万円)から。ティグアンの中では、中の下、に当たる。ハイブリッド技術は備わらない。

フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSI 150PS アクティブ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSI 150PS アクティブ(英国仕様)

試乗車の場合は3ペダルのMTが載り、ホイールサイズは17インチ。大きく膨らんだ扁平率65というタイヤを履いていた。

エンジンは、1.5Lの4気筒ガソリンターボで、最高出力150psを発揮する。現在のティグアンのラインナップでは、一番人気となっているという。発売当初は2.0LディーゼルのTDIが支持を集めていたが、世論は大きく変化した。

SUVにはディーゼルエンジンという考えが欧州にあった中で、ガソリンエンジンが多く売れるのはイメージ以外の理由もある。実際にスペックを見ても、TDIと同等の馬力を発揮し、加速性能や最高速度でも同水準にある。

TSIでは0-100km/hが加速9.9秒、最高速度は202km/h。一方のTDIは、0-100km/hが9.4秒で、最高速度は201km/hとなっている。

最大トルクは25.3kg-mで、TDIより9.2kg-m弱いものの、発生回転域は1500rpmから3500rpmと、低く広い。使い勝手に不満はないだろう。反面、燃費はディーゼルには追いつかない。TSIのカタログ値は15.5km/Lだが、TDIの方は19.6km/Lだ。

称賛したくなるほど静かで滑らかなTSI

ただし同じアクティブで、2.0 TDIの英国価格は約2000ポンド(30万円)高く、燃料代の元は取れる。英国ではディーゼルの方が燃費が良いぶん、社用車登録時の税率はわずかに安いが、ガソリンエンジンを選びたくなるのも充分に理解できる。

ティグアンはゴルフより200mmも長いSUVだから、車内には大人4名が乗れる空間がある。運転席からは、後方や側方の視界にも優れる。しかしフロントガラスの取り付け位置が高めで、座面を低く設定するとボンネットの先端が見えにくい。

フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSI 150PS アクティブ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSI 150PS アクティブ(英国仕様)

インテリアには、丁寧なテクスチャが施されたパネル類がふんだんに用いられ、小物入れの内側にもゴム・コーティングなどが施されている。足元付近まで下がると、硬質なプラスティックがそのまま使われているが。

ダッシュボード中央の操作系のレイアウトは、ロジカルで明瞭。中央には10.25インチのタッチモニターが据えられるが、英国では475ポンド(7万円)のオプションだ。

車線維持支援システムの設定を変えるには、タッチモニターのメニューを4回も掘り下げる必要がある。少々面倒だ。

一般道を走らせてみると、TSIエンジンは称賛したくなるほど静かで滑らかに仕事をこなす。6速MTも、軽快にキビキビと変速できる。デュアルクラッチATも組み合わせられるが、英国の場合は2000ポンド(30万円)ほど追加になる。

運転は至って安楽。エンジンノイズは高回転域で少し不機嫌そうに響き出すものの、6000rpmのレッドライン付近まで引っ張っても、助手席との会話が聞き取りにくくなるほどではない。

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