【80%は日本が輸入】MG RV8 英国版中古車ガイド 3.9L V8のブリティッシュ・スポーツ

公開 : 2021.09.20 08:25  更新 : 2021.10.15 13:25

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ウィリアム・デ・ラ・リヴィエール:ビーチ・ヒル・ガレージ社代表

「MG RV8は、フリルの付いたレザーシートに、ウッドパネルのダッシュボードを備えた、ラグジュアリーなモデル。多くのオーナーが屋根付きのガレージに保管し、晴れた日にしか運転していません」

MG RV8(1992〜1995年/英国仕様)
MG RV8(1992〜1995年/英国仕様)

「エンジンとトランスミッションは信頼性が高いですし、亜鉛メッキされたボディも錆びにくい。組み立て品質も高いといえます」

「もしパワーが欲しいなら、英国にはECUのリマッピングをしてくれる店もあります。400ps近くまでは可能なようですが、リーフスプリングのリアサスは、そこまでのパワーを受け止めきれません」

「著しく安い例には注意が必要でしょう。先日、同僚が掘り出し物を見つけたといって、安いRV8を購入しましたが、まだ修理は終わっていません。すべてのRV8が、大切にされてきたわけではないようです」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

低圧と高圧の潤滑系統の状態を保つため、少なくともエンジンオイルは毎年交換したい。粘度は10W-40で、半合成以上の高品質なオイルが良いだろう。購入前にエンジンオイルの状態チェックは忘れずに。

エンジンを始動して、エグゾースト・マニフォールドからの排気漏れがないか確認する。

冷却系

MG RV8(1992〜1995年/英国仕様)
MG RV8(1992〜1995年/英国仕様)

アルミ製のエンジンだから、腐食を防ぐためにも高品質なクーラントが不可欠。オーバーヒートは避けたい。アイドリング状態で、温度が上昇しすぎないか確認する。

吸気マニフォールドのボルトから、クーラントが滲んでいないか確かめる。エキスパンション・タンクや、ラジエターの下部が湿っていないかも確認したい。

トランスミッション

可能なら、牽引された過去がないか確かめたい。トランスミッション内に牽引状態では動作しないフルードポンプがあり、長距離牽引してしまうと内部を破損する恐れがある。

クワイフ社製のLSDは、フルードの状態を確かめたい。推奨品はシルコリン社の全合成で、75W-90 GL5という、トランスミッション用フルードだ。

ステアリング、サスペンションとブレーキ

ステアリングラックのマウントにヒビがないか検査したい。サスペンションのスプリング、ショックアブソーバー、ブッシュ類の劣化状態も確かめたい。多くのMG RV8は、アップグレードされているようだ。タイヤの製造年もチェックポイント。

ボディ

フロントガラス周辺のピラーの付け根などに、サビが浮いていないか確認する。ソフトトップの劣化具合も確かめたい。

インテリア

シフトノブの状態を確かめる。多くの場合、木製ノブに交換されているようだ。ダッシュボードは日光でヒビ割れしやすい。レザーシートのクリーニングなど、ある程度コストを見ておいた方が気持ち良く乗れるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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