フォルクスワーゲン・ゴルフ(9) 長期テスト GTIなら回り道も楽しい

公開 : 2021.11.21 09:45

ドライバーの遊び心を駆り立ててくれる

ゴルフGTIは、高速道路と同じくらい、地方の一般道も快適に走れる。そして、本当に運転が楽しい。乗り心地はしなやかで、ドライバーの遊び心を駆り立ててくれるように、充分にパワフルでもある。

限界領域まで攻め込まずとも、しっかりしたフィードバックで、自信と充足感を与えてくれる。途中でM6号線に合流し直したが、1時間ほど遠回りしたということも、まったく気にならなかった。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)

その数週間後、英国西部のペンブルックシャーへ、母を連れて行った時も同様だった。幼馴染と再開する、ささやかな会合があった。

母は久しぶりに海岸沿いの町を訪ねることができ、喜んでいた。筆者もウェールズ地方に広がるカーブの続く道を、存分に楽しんだ。

その帰り、グーグルマップはM4号線とM5号線が途中で渋滞していることを教えてくれた。提案してくれた代替ルートは、素晴らしい道が伸びるブレコン・ビーコンズ国立公園を経由するというもの。

想定していなかった道だったが、筆者もGTIも、まったく反対する理由はない。景色は壮大で、道路は絶好。ゴルフGTIにとって、理想的な帰路になったことはいうまでもない。

想定通りの道なら、この上ない喜び

確かに最新のフォルクスワーゲン・ゴルフGTIは、完璧ではないかもしれない。インフォテインメント・システムのタッチモニターやセンサーは、ちょっと扱いにくい。サスペンションは少々硬く、路面によっては不快に感じることもある。

だが、クルマの想定通りの道を走らせれば、この上ない喜びを与えてくれる。予定より長くなる移動時間を、忘れてしまうほど。急がば回れは、ゴルフGTIにも当てはまる。

テストデータ

気に入っているトコロ

ドライビングポジション:何台かのSUVに試乗してからゴルフGTIのシートに座ると、適度に低く落ち着いた環境がうれしかった。本当にドライビングポジションは素晴らしい。

気に入らないトコロ

インフォテインメント:時々、英国仕様のインフォテインメント・システムは、イライラするほど反応が鈍くなる。道案内だけでなく、スマートフォンと接続するアップル・カープレイも。

テスト車について

モデル名:フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)
新車価格:3万3525ポンド(509万円)
テスト車の価格:3万7230ポンド(565万円)

テストの記録

燃費:15.5km/L
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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