帰ってきたSEMAショー 主役は「ブロンコ」 広がるフォードの可能性  

公開 : 2021.11.21 05:45

新たなる主役「ブロンコ

2010年代に入ると、フォードの屋台骨であるFシリーズを使った各種カスタマイズカーを出展するようになる。

このような流れの中、フォードはSEMAショーで、マスタングとFシリーズの2本立て戦略をしばらく続けてきたが、フォードファンの間からは、北米市場で進むミッドサイズからコンパクトサイズのSUVモデルラインナップでの斬新カスタマイズを要望する声が高まっていった。

フォードの主役はブロンコ。多数のカスタマイズカーが出展された
フォードの主役はブロンコ。多数のカスタマイズカーが出展された    フォード

そうした中、フォードとしてSEMAショーでの新たなる主役級として選んだのが、ブロンコである。

量産前からスパイフォトやスパイビデオへの関心が高まり、発売同時に本格的オフロード対応の上級モデルから事前予約が一気に埋まる状態となった。

本来なら、そうした人気絶頂期にSEMAショー2020をぶつけてきたかったというのが、フォードの本音だったことだろう。

そのため、今回復活したSEMAショー2021では当然のごとく、ブロンコのカスタマイズが目白押しだ。

フォードとの関係が深い部品サプライヤーに車両を提供し、オフロードレースBAJA仕様や、降雪地帯走行用のキャタピラー仕様などが勢揃いした。

こうした社外品の他にも当然、フォード正規販売店で購入できるオフィシャルカスタマイズパーツの拡充も進んでいる。

ピックアップのカスタマイズも

ブロンコをサイドサポートするモデルたちの一気に充実した。

筆頭は、コンパクトピックアップトラックのマーベリックだ。

フォードFシリーズのカスタマイズカー
フォードFシリーズのカスタマイズカー    フォード

今回の出展モデルは、ライフガード・レスキューや、ローダウンしたホッドロッド仕様。

また、ミッドサイズピックアップトラックのレンジャーでは、リフトアップ、前後バンパーガードなど定番カスタマイズに加えて、山間部での夜間走行を想定した強力な照明機器を装着した仕様など、レンジャーのオーナーであれば、すぐにでも欲しくなるような量産アイテムが多数登場。

さらに、フォードのフルサイズピックアップトラックの真骨頂、F-150では、ベッド(荷台)を活用したオンボード・キャンピング仕様の提案が登場。

ベッドを覆う空間をベースとして、その上部にポップアップテントを設置したり、ルーフキャリアをベッド上部まで延長してそこを支点としたルーフテント仕様など、これまたF-150オーナーにとってはすぐにでも……と思ってしまうカスタマイズである。

このほかには、大出力のオンボードパワーユニット搭載のハイブリッド仕様や、フォード最上級パフォーマンスマシンのF-150ラプターのデザート(砂漠)走行仕様なども出展された。

いやはや、これからのフォードは物凄いことになりそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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