新型 プジョー308 ハイブリッド225へ試乗 システム総合225psのPHEV

公開 : 2021.12.10 08:25

最新ハッチバック、プジョー308にPHEV版が登場。たくましいパワートレインが生む走りを、英国編集部は評価します。

最長58kmをEVモードで走れるPHEV

フルモデルチェンジしたプジョー308。今回試乗したのはシステム総合で225psを発揮する、トップグレードのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)だ。180psの1.6Lの4気筒ターボガソリンに、駆動用の電気モーターが組み合わされている。

駆動用バッテリーの容量は12.4kWh。フル充電なら最長58kmを電気モーターだけで走れるという。充電能力は最大3.7kWまで。300ポンド(約5万円)のオプションで、7.4kWに高速化することもできる。

プジョー308 ハイブリッド225 GT プレミアム E-EAT8(欧州仕様)
プジョー308 ハイブリッド225 GT プレミアム E-EAT8(欧州仕様)

トランスミッションは8速ATで、前輪を駆動する。ちなみに試乗車は左ハンドル車だったが、運転したのは英国の一般道だ。

2023年には、純EV版の308も英国にやってくる見込み。現在の英国では試乗した225psのPHEVのほかに、180psのPHEVと、129psの1.2Lガソリンターボと1.5Lのディーゼルターボが選べる。

新しいプジョー308に乗り込んでみると、運転席まわりの上級な印象に感心させられる。用いられている素材の質感は高く、デザインも良い。

小さなステアリングホイールが低い位置に伸びるレイアウトを、プジョーはiコクピットと名付けている。ステアリングホイールの上部がフラットに切り取られ、モニター式メーターパネルの視認性を確保してある。

情報が立体的に重なっているように見える3D効果は、208のものと同様だ。筆者は、このプジョーのメーターが好きではある。でも、ステアリングホイールを丸くできないのなら、位置を改めた方が良いと思う。

車内は少々狭目ながら、印象の良い走り味

ダッシュボードの中央上部には、インフォテインメント・システム用の大きなタッチモニターが据えられる。その下に、ピクトグラムが記されたタッチセンサーが並び、さらに実際に押せるハードボタンもある。

見た目はこちらも良いものの、エアコンの温度調整などは視線をそらさずにできた方が良い。反応も、今ひとつに感じた。

プジョー308 ハイブリッド225 GT プレミアム E-EAT8(欧州仕様)
プジョー308 ハイブリッド225 GT プレミアム E-EAT8(欧州仕様)

プジョー308のライバルとなるのは、フォルクスワーゲン・ゴルフルノーメガーヌといったCセグメントのハッチバック。新型は先代より全長が105mmも長くなり、4367mmある。ちなみに8代目ゴルフは、4284mmとなっている。

ホイールベースも伸ばされたが、リアシート側の空間は見た目ほど広くはないよう様子。荷室容量は大きく、412Lある。

車内には気になる部分もあるものの、運転した印象はとても良い。車重は、このクラスとしては多めの1687kgで、操縦性はフォード・フォーカスなどと比べるとその重さを感じる。だが、乗り心地は適度にしなやかで、しっかり姿勢も制御できている。

PHEVのパワートレインは滑らかクルマを引っ張り、レスポンスも良好。バッテリーの残量が少ない状態でもエンジンは驚くほど頻繁に停止し、燃費を伸ばしてくれていた。

電気モーターによる回生ブレーキと、ディスクとパッドによる摩擦ブレーキとの調和は、もう少し改善できそうだ。英国では1月から販売が始まるが、それまでに調整を受けることを期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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