ジャガーMk VII/VIII/IX 英国版クラシック・ガイド エリザベス王妃も愛用 前編

公開 : 2022.01.09 07:05

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英国でジャガー・エンスージアスト・クラブを長年運営してきた、生粋のジャガー・ファン、 グラハム・サール氏。これまでにほとんどのモデルを所有してきた経歴を持つ。

「ジャガーMk VIIIは珍しいモデルで、英国に残っているのは60台ほど。ダンロピロー社製のシートは座り心地が抜群で、どんなドライバーも快適に過ごせるはず。ラグジュアリーですが、インテリアのレストアはジャガーで1番高く付くでしょう」

ジャガーMk VIIIとオーナーのグラハム・サール氏
ジャガーMk VIIIとオーナーのグラハム・サール氏

「このクルマは、かつて王族のジャン・エルフィンストーン卿が乗っていました。ツートーンのボディカラーも、当時へ忠実に塗り直しています。1996年に、屋外に放置されていたものを購入。専門家へ依頼し、12年もかけて仕上げてもらっています」

「フロントブレーキはディスクに、ATはXJ S3用の3速に交換しています。パワーステアリングも交換済み。X300型XJ用の部品も用いています。オリジナルより運転は快適です。当時は大きなクルマでしたが、近年ではそれほどとは感じませんね」

英国で掘り出し物を発見

ジャガーMk IX AT

登録:1960年 走行:6万7900km 価格:2万8500ユーロ(約370万円)

アメリカ・ノースカロライナ州で長年乗られた後、欧州に持ち込まれたMk IX。見た目は良いものの、注意は必要な様子。売り手によれば、塗装は悪くないが完璧ではないと説明している。ドアの底面には波打ちが見られるようだ。エンジンルームはきれい。

ジャガーMk IX AT(1960年/北米仕様)
ジャガーMk IX AT(1960年/北米仕様)

インテリアは、レザーの風合いが良く見える。ウッドパネルの状態は直接確かめたい。走行前にしっかり点検整備して欲しいとも説明されている。

ジャガーMk IX AT

登録:1958年 走行:1万6789km 価格:4万7900ユーロ(約622万円)

ボディを磨くより運転が好きなら、このジャガーはいかがだろう。20年前にレストアされ、美しいツートーンカラーに仕上げられている。ボディパネルのフィット感は良く、全体的に整った印象を受ける。新車時に張られたディーラーのバッジも残っているようだ。

インテリアは、風合いのあるレザーが新品のよう。ウッドパネルの仕上がりは素晴らしく、当時物のラジオがダッシュボード全体の雰囲気を引き立てている。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

記事に関わった人々

  • マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ジャガーMk VII/VIII/IX 英国版クラシック・ガイド エリザベス王妃も愛用の前後関係

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