第6次EVブーム到来 EVブームは過去に何度も 歴史を振り返る

公開 : 2022.01.04 08:25

EV量産スタート 第5のブーム

そして、前回となるEVブームは、日本に本格的な量産EVが導入された約10年前となる。

2009年に三菱からアイミーブ、日産からリーフが発売された。

日産リーフ(初代)
日産リーフ(初代)    日産

また、2010年には、テスラの最初の量産モデル「ロードスター」が日本で発売を開始。トヨタがテスラと業務提携したのも大きな話題となった。

さらに日本においては、EV普及を目指したベンチャーが数多く誕生。日本中に急激にEV用の充電スポットが拡大していったのだ。

この2010年前後のEVブームの背景には、リチウムイオン電池の進化があった。

リチウムイオン電池は1990年代に初めて製品化され、2000年代にかけて進化していった新製品だ。

高性能なリチウムイオン電池が用意できたことで、EVの性能が劇的に向上したのだ。

しかし、残念ながら日本におけるEVの普及は、期待ほど大きくなることなかった。

補助金が用意されたとはいえ、やはりEVの価格は高く、充電の手間はわずらわしいと感じられたのだろう。

また、積極的にEVの量産をスタートさせたのは、結局のところ日産と三菱、そしてテスラだけであり、他の日本や欧米の大手自動車メーカーは静観していたのもEVブームの衰退につながったといえるだろう。

そして今、欧州発の第6のEVブームが到来している。

10年前と違って、日本メーカーだけでなく、欧州やアメリカのメーカーも積極的に量産EVを投入している。

また、日本とカリフォルニアだけでなく、欧州や中国でもEVの市場導入が強力に推し進められている。

今度のEVシフトが最後のEVブームになるのか。それとも沈静化してしまうのか。

その答えが出るのは数年後になのか、それとも10年後なのか。市場動向に注視したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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