新型プジョー9X8 ル・マン24時間復帰を飾るハイブリッド・ハイパーカー リアウィングは不要?

公開 : 2022.01.19 06:25

今年WECに復帰予定のプジョーは、トヨタに対抗する新型ハイパーカー「9X8」の参戦準備を進めています。

空力性能を追求した特殊なデザイン

プジョーは、最高出力680psのハイブリッド・パワートレインを搭載した新型ハイパーカー「9X8」で、6月のル・マン24時間レースに復帰する予定だ。現在、参戦に向けた準備が進められている。

プジョーが最後にル・マンに参戦したのは2011年のことである。今年のFIA世界耐久選手権には、このル・マン・ハイパーカー(LMH)2台で参戦し、トヨタGR010ハイブリッドに挑む。

プジョー9X8
プジョー9X8    プジョー

LMHの新ルールではパワートレインの総出力を680psに制限しているが、メーカーはさまざまなデザインや技術を披露する自由を与えられている。性能のバランスを整えることで、LMHとLMP2ベースのLMDhマシンの間に公平な競争条件を作り出す狙いだ。

プジョー・スポールの技術責任者であるオリビエ・ジャンソニーは、LMHの新ルールによって「マシンの性能、特に空力を最適化するために、発明し、革新し、常識を覆す方法を探求する自由」が与えられたと語った。

リアウィングはダウンフォースを得るための重要な空力デバイスの1つだが、プジョー・スポールは9X8の高い空力効率によって、リアウィングなしでも走行可能だという。ジャンソニーはこう説明する。

「規定では、調整可能な空力デバイスは1つだけとされていますが、リアウィングを特定しているわけではありません。わたし達は計算とシミュレーションにより、リアウィングがなくても効果的にハイパフォーマンスを実現できることがわかりました」

ジャンソニーは、リアウィングの代わりにどの空力デバイスを調整可能にしたのかは明らかにしなかった。

ル・マンに「爪跡」を残せるか

9X8では、空力効率を高めるボディ形状のほか、ホイールリム、タイヤ上部のウィングベント、一体型ミラーなどを採用している。また、「爪」のようなデザインのヘッドライトなど、市販のプジョー車の特徴も数多く反映している。

プジョーによると、インテリアのデザインにも気を配り、プジョーの「i-Cockpit」デザインを模したコックピットを採用しているとのこと。

プジョー9X8
プジョー9X8    プジョー

同社のデザイン責任者であるマティアス・ホッサンは、「車載カメラで撮影したときに、一目でプジョーとわかる」ように設計したと明かしている。

9X8は最高出力680psの2.6L V6ガソリンエンジンをリアアクスルに、272psの900V電気モーター・ジェネレーターをフロントアクスルに搭載する。

7速トランスミッションを介して車輪を駆動し、エンジンとモーターの出力を自動的にバランスさせ、総出力680psを発揮する。

車名の「9」という数字は、歴代のル・マン参戦マシンである905と908に使われてきたもので、「X」はプジョーの4輪駆動技術とハイブリッド・パワートレインを表している。「8」は、現在の市販車ラインナップ(308、508など)を示すものだ。

プジョーは9X8を今年のWECとル・マンに投入し、ドライバーには元F1ドライバーのジャン・エリック・ベルニュ、ケビン・マグヌッセン、ポール・ディ・レスタを起用する。

LMHクラスではトヨタと対戦するが、2023年以降は、LMDh形式でマシンを製造する数多くのライバルたちとも刃を交えることになる。アキュラアウディBMWフェラーリポルシェが、すでにこのカテゴリーへの参加を表明している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。愛知県在住。幼い頃から自動車/戦車/飛行機/宇宙船など乗り物全般が大好物。いつかすべての乗り物を手に入れることを夢見ている。最近はバイクの魅力に気づき、原付と中型を衝動買いしてしまった。大学卒業後、不動産営業と記事制作ディレクターを経て2020年に独立し、フリーランスとして活動開始。現在に至る。

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