マツダ初の600万円超え CX-60、いったい誰向けのクルマなのか? 高級化路線が加速中

公開 : 2022.03.09 17:47  更新 : 2022.03.10 15:35

マツダCX-60が発表され、注目を集めています。同社としては「かなり高額」。誰に向けたクルマかを考えます。

マツダとしてはかなり高額

待望のマツダ新モデル「CX-60」欧州仕様が、日米に先駆けて発表。

マツダの欧州法人であるマツダ・モーター・ヨーロッパは2022年3月9日、欧州各国のマツダオフィシャルホームページでCX-60の車両概要を公開した。

2022年3月9日、欧州各国のマツダオフィシャルホームページで発表されたマツダCX-60。
2022年3月9日、欧州各国のマツダオフィシャルホームページで発表されたマツダCX-60。    マツダ

外観の印象は、CX-5CX-8にも通じる、マツダデザインの真骨頂である魂動デザインによる躍動感を強調している。

インテリアに目を移すと、CX-5などと同じく水平基調のダッシュボードを採用しているが、各所にプレミアム感が強い印象がある。

動力性能として明らかになったのは、2.5L直列4気筒ハイブリッド「eスカイアクティブPHEV」を搭載すること。システム総出力は327ps、また搭載する電池容量は17.8kWh、そしてトランスミッションは8ATを採用する。

ここまでは、これまでマツダが公開してきた各種情報から、メディア側としてはある程度は推測できており、大きな驚きは感じない。

だが、CX-60日本仕様発表を待ち望んでいる日本のユーザーにとって、大きなインパクトとなったのは価格ではないだろうか。

例えば、英国マツダのホームページでは、ベースグレードとなる「エクスクルーシブ・ライン」が4万3950ポンド(約665万円)であり、また最上級の「タクミ(匠)」は4万8050ポンド(約727万円)にも達する高級車だからだ。

プレミアム路線を明確に

ドイツ・マツダの場合、「エクスクルーシブ・ライン」より廉価な「プライム・ライン」の設定があり、価格は4万7390ユーロ(1ユーロ=127円換算で602万円)だが、それでもマツダとして初めての量産モデル600万円超えとなった。

これまでのマツダ車のイメージからすると「かなり高い」印象を持つ日本のユーザーも少なくないだろう。

マツダCX-60。マツダ車のイメージからすると「かなり高い」印象を持つ日本のユーザーも少なくないだろう。
マツダCX-60。マツダ車のイメージからすると「かなり高い」印象を持つ日本のユーザーも少なくないだろう。    マツダ

日本仕様のプラグインハイブリッド車で他社モデルと比べてみると、トヨタRAV4 PHV」のベースモデルであるGグレードが469万円。

これと同系パワーユニットをレクサス向けにファインチューニングしたレクサスNXのプラグインハイブリッド車が714万円からの設定となる。

また、販売好調の三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」はベースモデルのMグレードが462万円と性能からしてリーズナブル感がある。

こうした市場環境の中、CX-60は明らかに「プレミアムブランド寄り」のクルマという印象だ。

これはCX-60プラグインハイブリッドに限った話ではなく、マツダがいう「ラージ商品群」という括り自体が、プレミアム路線を明確にしたモデルラインナップになるということだ。

CX-60を追って登場する予定の3列シートのCX-80、またフルモデルチェンジとなるセダンのマツダ6など、これまでのマツダに比べてプレミアム性がさらに増すことは間違いないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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