【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・トランスポーター 平凡な走り 盛大なノイズ あくまでバン

公開 : 2022.04.09 20:25  更新 : 2022.04.26 03:09

内装 ★★★★★★★☆☆☆

トランスポーターの中にあっては、スポーツラインはスポーティグレードかもしれないが、しょせんは商用バンにすぎない。ドアを閉めたときにやや音が反響するので、それを実感する。

乗り込んでみても、スポーティさを感じさせるのは、ハーフレザーに赤ステッチが入るシートくらい。それとて、クッションは短く、サイドサポートの張り出しはない。

スポーティグレードとはいえ、室内はいかにもバンらしい趣きで、座面は高く、前方視界は広い。デジタルメーターとタッチ式インフォテインメントシステム、革巻きステアリングホイールは標準装備される。
スポーティグレードとはいえ、室内はいかにもバンらしい趣きで、座面は高く、前方視界は広い。デジタルメーターとタッチ式インフォテインメントシステム、革巻きステアリングホイールは標準装備される。    LUC LACEY

もっとも、前方の視認性はすばらしく、配送ドライバー好みの高いドライビングポジションに慣れさえすれば快適だ。Aピラーにはアシストグリップがあるので、乗り込む際には便利だ。ドライバーがシートで身体を支えきれないようなコーナリングをしたときには、助手席の同乗者はこれにつかまって耐えることもできる。要は、エルゴノミクスについてはほかのグレードと同じくバンそのものということだ。

装備面では、革巻きステアリングやデジタルメーター、タッチ式8.0インチ画面のインフォテインメントシステムが標準装備され、ところどころが金属調トリムとなる。ダッシュボードは全体的に、引っ掻き傷のつきにくいハードなプラスティック素材。乗車スペースはカーペットが張られ、小物入れやドリンクホルダーがダッシュボード周辺やドアトリムに設けられている。

サイドドアは、二重ガラスの電動スライド式が標準仕様。コンビには後席が備わり、右側2席と左側1席に分割される。いずれも背もたれが前倒しでき、左側はサイドドアから荷室へアクセスしやすいよう前方へ跳ね上げることが可能だ。

この後席は取り外しもでき、ショートホイールベース仕様でも奥行き2.5mを超える広大な荷室が得られる。ただし、シートはかなり重く、取り外しも簡単ではない。なお、シートをつけたままでも荷室長は1.5m以上あり、シートの下を通して長尺物を積むこともできる。

荷室幅も、もっとも広い部分は1.5mを超え、フロアから天井までの高さも1mは優に上回る。SUVやミニバンより積載スペースははるかに大きく、重たい荷物でも固定できる金具も設置されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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