快適至極の安心感 レクサスUX 300e(2) 長期テスト もう少し欲しい航続距離

公開 : 2022.04.17 09:45

レクサス初の純EV、UX 300e。プレミアム・ブランド初の電動モデルとしての実力を、数か月かけて検証します。

積算1348km 無料の充電器を活用

冬に鈍くなった身体を動かすべく、ジムへ通う回数が増えた筆者だが、偶然にもそこに無料のEV用充電器が設置されている。充電スピードは7kWと遅いものの、ジムまでの往復30kmぶんの電気は蓄えられる。

おかげでレクサスUX 300eは、常に満充電状態。充電器のケーブルが外れにくいのが困りものだけれど。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

積算2817km 50kWに制限される充電速度

今のところ、純EVのレクサスUX 300eとの生活は平穏。自宅での充電に問題はほぼ起きようがないから、あえて公共の充電器を利用している。

先日はロンドンの北西、バッキンガムシャー州へ移動する機会があり、UX 300eのチャデモ・コネクターに対応する充電器を探すことになった。

スーパーマーケットの充電器に表示された充電状況
スーパーマーケットの充電器に表示された充電状況

最初に見つけたのはBP社のものだったが、利用にはサブスクリプション(プリペイド)・カードが必要だった。残念。

別の場所を探し、リドルというスーパーマーケットに辿り着いた。スマートフォンのアプリをインストールしていたおかげで、ここは利用できた。アプリで5ポンド(約800円)の料金を支払い、コネクターをつないで完了だ。

レクサスUX 300eの充電システムは、50kWに制限されている。最短でも残量9%から100%まで、約90分掛かると充電器に表示された。

自宅に専用充電器を用意することが前提

ホットチョコレートを飲みながら、他社の純EVの急速充電能力を確認してみた。やはりレクサスの充電スピードは遅いようだ。

50kWでも現実的な時間で充電を完了できるとはいえ、ボルボXC40 リチャージなどの場合、最大3倍の速さで充電できる。フォルクスワーゲンID.4では125kW、低価格なキアe-ニロでも100kWまで対応している。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

しかも、そのいずれも航続距離はUX 300eより長い。カタログ値で最大315km、実際には250km前後という数字は、見劣りするといわざるを得ない。

筆者の実家では、e-ニロのロングレンジ版に乗っている。航続距離は453kmがうたわれており、一度充電すれば1週間は乗れるという。

といっても、コンパクト・クロスオーバーの殆どは市街地で乗られており、多くのユーザーの移動距離は短い。自宅で寝ている間に充電を済ませるような利用パターンなら、UX 300eでも困ることは少ないだろう。

筆者の場合、自宅から最も近い急速充電器は24km離れた場所にある。シェル社のシステムで、無料で走れる高速道路のサービスエリア内。往復で50km近くあり、実際に使える250km前後の距離は、大幅に制限されることになる。

レクサスUX 300eは、自宅に専用充電器を用意することが前提なことは明らか。もう少し大容量の駆動用バッテリーが欲しい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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