ピレリから新型スタッドレス「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」 150周年祝賀会場で発表

公開 : 2022.06.15 12:05

伊ピレリが150周年を迎えました。ウインタータイヤの新作も発表に。日本の冬に備える技術が盛り込まれています。

日本市場の厳しい要求に対応 20年目の新作

F1のオフィシャル・タイヤを受け持つピレリは、様々なジャンルのモータースポーツに挑み、極限の世界で鍛え抜かれたテクノロジーで高性能なタイヤを送り出してきた。

なかでもトップモデルのP-Zeroは、誕生以来スーパースポーツカーのパワーを受け止める高性能タイヤとして、世界のメーカーから採用され続けている。

ピレリの新作スタッドレスタイヤ「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」。
ピレリの新作スタッドレスタイヤ「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」。    上野和秀

一方でピレリは20年にわたり、厳しい条件下での性能が要求される日本市場向けのスタッドレスタイヤを送り出してきた。その最新作として登場したのが「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」である。

「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」は氷雪路での安全性と快適性、ドライビングの正確性を高めることに注力して開発された。モデル名の「ゼロ」は、P-Zeroと同様に最高の性能を提供することから与えられたという。

「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」は冬季の降雪地域での安全で快適なドライブのために、コンパクトからミニバン、SUV、輸入車までの幅広いクルマのドライバー向けに設計された。

開発に際してのキーは、接地面積の増加、接地面圧の向上、トレッド剛性の増加、接地面の均等分圧、ショルダー部の最適化、コンパウンド柔軟性の持続とされた。

44サイズをラインナップ 発売時期は?

注目したいのはブロック剛性を向上させた新3Dサイプの採用に加え、通常の2Dサイプを組み合わせた「ハイブリッド・トレッドブロック」により、優れた氷上ブレーキ性能を発揮すること。

このほかスクエア・ブロックとダブルサイド・トゥ・サイドグルーブというトレッドパターンの採用により、氷雪路からウェット路面など、幅広い路面状況に対応させている。

サイドウォールのデザインは秘めたるパフォーマンスを表に出さぬ落ち着いたもの。
サイドウォールのデザインは秘めたるパフォーマンスを表に出さぬ落ち着いたもの。    ピレリ

革新的な可塑剤コンセプトを用いたロングステイ・ポリマーを採用したデュラブル・ソフト・コンパウンドは、柔軟性を長期持続する。気温が低く過酷な冬の朝晩でも、確かなグリップ性能を発揮。

これらの改良により、従来品比でアイスブレーキング性能は5%向上、アイス発進性能は12%向上。雪上での優れたハンドリングに加え、ドライ路面でも静粛性も確保している。

「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」に用意されるタイヤサイズは、昨年発売された新車販売ランキングでトップ20に入るモデルのほとんどをカバーしたという。

具体的には255/40R20から175/65R15までの44サイズが用意される。コンパクトからミニバン、SUV、輸入車までのほとんどをカバーするラインナップとされている。

より高い氷雪グリップを獲得したピレリの「アイス・ゼロ・アシンメトリコ」は、2022年7月から順次発売予定と発表された。価格はオープンとなっている。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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