「マツダCX-60」狙い目グレードはどれ? 予約開始前におさらい、ユーザーの好みで考えるオススメ

公開 : 2022.06.22 07:13  更新 : 2022.09.16 13:20

300万円に抑えたい! 直4ガソリンの存在

いっぽうで、できるだけ安くCX-60を購入したいとなれば、狙うはモーターを組み合わせない4気筒モデルだ。

2.5L自然吸気エンジン搭載車は「25S Sパッケージ」「25S Lパッケージ」「25Sエクスクルーシブモード」の3グレードを展開するが、その価格もまたインパクトのあるもの。

CX-60のベーシックタイプとなる「25S Sパッケージ」はガソリンエンジン車。299万2000円~という価格が注目のグレードだ。
CX-60のベーシックタイプとなる「25S Sパッケージ」はガソリンエンジン車。299万2000円~という価格が注目のグレードだ。    前田惠介

ベーシックタイプとなる「25S Sパッケージ」は299万2000円で、なんと300万円を割り込むのだ。

これは快挙である。おそらく、トヨタハリアー」をベンチマークとした価格設定だろう。

これがどのくらい割安かといえば、CX-60よりも“格下”となる「CX-5」と比べてみればよくわかる。

CX-5の通常グレード(特別仕様車を除く)のボトムとなる「20Sプロアクティブ」の価格は290万9500円。

いっぽうでCX-60の4気筒ガソリン搭載車「25S Sパッケージ」の価格は299万2000円。

信じられないほどわずかな価格アップに留まっているのである。中身を考えれば実質値下げといっていい。

なぜ「実質値下げ」? マツダからのサプライズ

実質値下げと言える理由は、エンジン。

CX-5のボトムグレードは排気量が2.0Lなのに対し、CX-60は2.5Lと格上げされているからだ。

CX-60「25S Sパッケージ」の前席内装。ベーシックグレードとはいっても内装はこの出来。開発陣によると、樹脂パーツは安く見えない質感に作り込んだという。
CX-60「25S Sパッケージ」の前席内装。ベーシックグレードとはいっても内装はこの出来。開発陣によると、樹脂パーツは安く見えない質感に作り込んだという。    前田惠介

つまり、ボトムの価格は内容を考えれば安くなっていると断言できる。

CX-60の4気筒エンジンを積むベーシックグレードは、恐ろしいほどにコストパフォーマンスが高い。

価格が発表される前の段階で聞こえてきた「CX-60は手の届かない価格帯になってしまうのではないか?」という不安の声に対し、マツダは「CX-5からの乗り換えを考えてもらえる価格とする」と説明していた。それは嘘ではなかったのだ。

参考までに、CX-5とCX-60で4気筒ガソリンエンジンを積むグレード同士(2WD車)を比べてみると、「Lパッケージ」はCX-5の320万1000円に対してCX-60は341万5500円。

「エクスクルーシブモード」は352万5500円に対して384万4500円。上位グレードになるほどCX-5とCX-60の差額が拡大しているのが分かる。

それを踏まえて判断すると、もっともコストパフォーマンスが高いのはベーシックな「25S Sパッケージ」だ。

いずれにせよ、モーターなしの4気筒モデルは中身を考えると驚くほどにリーズナブル。

クルマの価格がどんどん高くなっているといわれるこの時代に、まさか200万円台で後輪駆動の上級SUVが買えることになるとは思わなかった。マツダはとんでもないサプライズをプレゼントしてくれたのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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