マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 鋭いレスポンス 秀逸なハンドリング 難点は乗り心地

公開 : 2022.10.29 20:25  更新 : 2022.12.29 01:52

新たな技術を満載したエントリークラスのマクラーレンは、伝説のF1に肉薄する速さと、電動化による重量増を感じさせないハンドリングの持ち主です。乗り心地に改善の余地はありますが、スーパーカーの理想的な未来像でした。

はじめに

マクラーレンの独創性が遺憾なく発揮されたスーパーカー、F1の登場から30年、ウォーキングでメルセデスSLRマクラーレンが生産を開始してからでも20年以上が経過した。MP4-12Cで自社ブランドの市販車メーカーとして本格稼働しはじめてからでさえ、10年は経っている。

それでもマクラーレン・オートモーティブは、否応なく消耗を余儀なくされる最新スーパーカー製造の業界で、確実な地盤固めに苦戦を続けている。マラネロやサンターガタ、はたまたシュトゥットガルトのライバルたちは、電動化モデルやSUVへの投資に値する見返りを手にし続けている。対してマクラーレンがこの5年ほどで収めた最大の成功は、いまだこの舞台に立ち続けているということ、それだけだ。

テスト車:マクラーレン・アルトゥーラ
テスト車:マクラーレン・アルトゥーラ    LUC LACEY

しかし、激動の時期を経て、ここからは本当に前進しようとしている。新たなボスによる指揮の下、新たなビジネスプランが提示され、根本的に変革する新型車についても言及されている。そのビジネスの推進力となるブランニューモデルは、ついに市場投入への準備が整った。

英国製のカーボンファイバーモノコックとイーサネット電子システム、スーパーフォーム工法のアルミボディ、そしてV6プラグインハイブリッドのパワートレインを用いたアルトゥーラは、ハイパーカーのP1以来のマクラーレンで、技術的にはもっとも大胆なプロジェクトだ。これまでで最高かもしれない。

その開発は、試行錯誤の連続だった。小さなトラブルもあった。しかし、マクラーレンに言わせれば、それは対処済みとのことだ。そうしてついに、アルトゥーラは完成した。夏のプレス向けローンチでわれわれが指摘した技術的な問題を修正するための中断を経て、いよいよデポジットを支払ったユーザーへのデリバリーも開始された。そして今回、いよいよロードテストの実施とあいなったわけだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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