マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 鋭いレスポンス 秀逸なハンドリング 難点は乗り心地

公開 : 2022.10.29 20:25  更新 : 2022.12.29 01:52

内装 ★★★★★★★★★☆

2シーターのキャビンは思ったとおりこじんまりした空間だが、タイトで窮屈なところはまったくない。

テストカーに装着されていたオプションのクラブスポーツシートは、良好でストレートなドライビングポジションをもたらしてくれるデザイン。うまくできた楕円形のヒンジは、背面の角度調整幅が広く、背の高いテスターがヘルメットをかぶって乗れるヘッドルームも稼ぎ出せる。

広くはないが、窮屈さはまったくないキャビン。シートはリクライニングが効き、計器盤はステアリングコラムの調整に合わせて動く。収納スペースは思いのほか多く使いやすい。
広くはないが、窮屈さはまったくないキャビン。シートはリクライニングが効き、計器盤はステアリングコラムの調整に合わせて動く。収納スペースは思いのほか多く使いやすい。    LUC LACEY

快適なポジションが決まってしまえば、マクラーレンがどれほど入念にキャビンレイアウトのフィロソフィーを磨き、強化させたかを知ることになる。また、いかにうまく、実用的な収納スペースを創り出したかも。

グローブボックスはないが、ドアコンソール前方に大きなドアポケットがある。ドアを跳ね上げても中に入れたものがこぼれない設計なので、とても実用的だ。

超スリムなセンターコンソールのデザインも、スペース効率に優れたもの。カップホルダーふたつと財布などが入るアームレスト下の小物入れに加え、トランスミッション操作部の両脇にはスマートフォンがぴったり収まる。ほかの収納部が埋まっていたら、ここが好都合な置き場だ。

メーターパネルは全面新設計のデジタル式。720Sなどではダッシュボードに組み込まれていたが、アルトゥーラのそれはステアリングコラム上へダイレクトに設置されている。そのため、ステアリングホイール位置の調整に合わせて動く。

計算上は、リムに遮られて計器類が見えなくなることはないはずだ。しかし実際には、座高の高いテスターにはチルト幅がちょっと足りず、上10mmほどにリムが被ってしまう。

マクラーレンのよくできた1ピース成型シフトパドルは、このクルマにも備わっている。その上には、パワートレインとシャシーのモードを切り替えるトグルスイッチが、メーターバイザーの角に組み込まれている。視線を向けなくても探り当てやすく、ステアリングを握った指を伸ばせば押すことができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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