可愛い見た目の本格オフローダー トヨタFJクルーザー 英国版中古車ガイド エンジンは4.0L V6

公開 : 2022.11.21 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は

FJクルーザーは完成度の高いオフローダーといえるものの、オンロードでの走りが得意とはいえない。車重は2tに迫りステアリングはおっとりで曖昧。動力性能に優れるわけではなく、燃費も褒めにくい。

レトロな見た目と、戦車級の信頼性や製造品質は北米市場で高い支持を集めた。英国トヨタが正規に導入する予定はないようだ。(2006年6月1日)

トヨタFJクルーザー(2007年〜)
トヨタFJクルーザー(2007年〜)

オーナーの意見を聞いてみる

アンドリュー・サクレ氏:ジープスター社代表

「初めてFJクルーザーを並行輸入した際、当社の技術者が点検整備をして驚いていました。3年前のクルマでしたが走行距離が短く、ほぼ新車のような状態だったためです。保証期間内に、目立った修理も施されていないようでした」

トヨタFJクルーザー(2007年〜)
トヨタFJクルーザー(2007年〜)

「サスペンションをリフトアップし、オールテレーン・タイヤを履かせても、走りはいい感じです。ロックバンド、スティッフ・リトル・フィンガーズのドラマーだったスティーブ・グラントレーさんに見せたら気に入ってくれ、1台お買い上げいただきました」

「彼はクルマ好きで、何台か他に所有しているんです。今まで買ったなかで、最高のクルマだと話していましたよ」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

エンジンオイルの消費が激しい場合があり、こまめに補充したい。ピストンのオイルリングが劣化し、オイルが燃焼することで不具合を招くことも。排気ガスに目立つ煙が混ざっているなら、エンジンオイルが燃えていることを示している。予め確かめたい。

ピストンリングの劣化で圧縮した空気がシリンダーから漏れ、燃焼不良になることがある。エンジン始動後にディップスティックを抜き、パイプの上へ手をかざして、空気が勢いよく吹き出ているなら深刻な問題を抱えている証拠。少量のブローバイは正常範囲だ。

トヨタFJクルーザー(2007年〜)
トヨタFJクルーザー(2007年〜)

ウオーターポンプからはクーラントが、エンジンブロック前後のクランクシャフト・シールからはエンジンオイルが漏れる場合がある。油圧センサーのエラーで、誤った警告が表示されることがある。

タイミングベルトのテンショナープーリーが駄目になり、ベルトがグラつくことがある。早期に対応したいポイントだ。

トランスミッション

5速MTか6速ATが搭載されていたが、基本的には堅牢。一部のモデルでは、ドランスミッションが大きめの振動を出すことがあるようだ。

インテリア

北米トヨタは、2007年から2013年までの31万台に、シートベルトに関するリコールを出している。前席側のシートベルトは観音開きのリアドアに固定されているが、強度不足のため手荒くドアを扱うと取り付け部分が破損する恐れがあるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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