世界がシビれる電動スポーツカー 10選 運転して楽しいEVドライバーズカーは?

公開 : 2023.02.17 18:05

8. キアEV6 GT

このリストにキアが入るとは意外かもしれないが、韓国ブランドは最近、我々の認識を変えようとしてきている。ブランドイメージの改革は数年前、スティンガーGT-Sから始まった。強烈なV6エンジンと表情豊かな後輪駆動車らしいハンドリングを備えた4ドア・クーペだったが、本格的なハイパフォーマンスは、電動化を積極的に受け入れる態勢があるからこそ実現できた。

EV6は、見た目の良さ、スピード感、そして優れたハンドリングからすでに高い評価を得ている。そのため、フラッグシップのEV6 GTへの期待も当然高かった。ツインモーター(四輪駆動)を搭載し、最高出力は585ps、最大トルクは75.5kg-mを発生。77.4kWhバッテリーにより1回の充電で423kmの走行が可能で、800Vのアーキテクチャにより超急速充電も可能とされている。

8. キアEV6 GT
8. キアEV6 GT

また、シャシーにも改良が加えられ、ボタン操作でダンパー設定を変更して585psのフルパワーを堪能できるようになった。全体的には驚くほど軽快で、クイックなステアリングと強力なグリップ、そして破壊的な高速コーナリングが可能だ。ドリフトモードは愉快だが、荒々しい挙動を誘発するので路上では使わないほうがいい。限界までプッシュすると、SUVのような腰高感と質量を無視できなくなり、それらを抑えるのに苦労しているように感じられる。

しかし、本当に優れているのはコストパフォーマンスの高さである。パンフレット上は6万2645ポンド(約995万円)と高く見えるが、EV6 GTの1ポンドあたりの性能に匹敵するクルマはほとんどない。

テスラ・ロードスター(近日到来)

EVの紹介リストにテスラを含めないわけにはいかない。性能面ではテスラの現行ラインナップのほとんどをここに列挙してもいいが、スポーツカーとしては、たとえ発売が遅れていたとしてもロードスターに軍配が上がるだろう。すでに予定より4年ほど遅刻しているロードスターだが、最近になってようやく2023年7月に生産が開始されることが明らかになった。

実際に手に触れるまでは、テスラが主張する数字だけが頼りだ。カタログ上では、非常にエキサイティングなEVになりそうだ。トライモーターのパワートレインは最高出力1000ps超のモデルSプレイドと近く、静止状態から97km/hまで1.9秒、最高速度は時速400kmに達するとされているが、この程度のパワーは十分あると思われる。さらに印象的なのは1000kmという航続距離で、これが現実世界で実現可能かどうかは定かでないが、大型バッテリーを積んだライバルは戦々恐々としていることだろう。

テスラ・ロードスター
テスラ・ロードスター

価格もまだ不明だが、英国での販売価格は18万9000ポンド(約3000万円)程度になると言われている。高額に聞こえるが、この10倍もする電動ハイパーカーの存在も考えると、バーゲン価格と言えるかもしれない。最終的に実車に乗れば、このリストの上位に食い込んでくることだろう。

アスパーク・アウル(近日到来)

ご存知、日本は大阪に本社を構えるアスパークが送り出す電動ハイパーカーのアウル。4基の電気モーターから2000ps強を発生させ、0-97km/h加速1.7秒と、現時点で「世界最速」とされる。航続距離は約450kmで、価格は250万ポンド(約4億円)とされている。

出自については、基本的に日本生まれだが、製造はイタリアのMAT(マニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノ)社で行われている。製造予定の50台は、2021年に納車開始を予定していたが、2022年になっても顧客は待っている。手元に届けば、まずそのサイズに驚くかもしれない。全高990mmと、タイヤからルーフまで1mにも満たないのだ。少なくともガレージの天井を気にする必要はなさそうだ。

アスパーク・アウル
アスパーク・アウル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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