メーター用モニターがブラックアウト BMW iX(6) 長期テスト 1750Lの大きな荷室

公開 : 2023.02.25 09:45

到着後に故障を知ると心が折れる

数日後には別の充電ステーションへ立ち寄ったが、こちらはアイオニティ社が運営する施設。以前、筆者はアウディQ4 eトロン長期テスト中に、違う場所にある同社の施設を利用しているが、料金の二重支払いというエラーを経験している。

しばらく利用を避けようと考えていたのだが、その日はやむを得なかった。深夜に空港まで急ぐ必要があったのだ。帰り道のことを考えると、充電しておきたかった。

BMW iX M60(英国仕様)
BMW iX M60(英国仕様)

今回利用したのはロンドンの南西、コバムにある充電ステーションだ。6基ある充電器は到着時にすべて利用されていたが、ほどなくして1台の充電が終了。iX M60と接続することができた。

スマートフォンのアプリを介し、充電をスタート。給電能力は120kWが上限だったものの、68kWhの電気をトラブルなく駆動用バッテリーへ蓄えられた。料金は、1kWh当たり0.69ポンド(約110円)という設定だった。

ここはクルマを止めやすく、照明も明るく、安全そうな雰囲気で快適といえた。多くの利用者がいたことで、安心感もあった。ガソリンスタンドと同様に、雰囲気作りや照明は大切といえる。

一方でロンドンの西、ブラックネルにあるシェル・リチャージ社のシステムは、正常に稼働していなかった。到着後に使えないと知るのは、かなり心が折れる。次回、選びたくないと考えさせるほど。

積算9475km 1750Lまで広がる大きな荷室

1週間前に発生した、メーター用モニターのクラッシュの原因は不明のまま。基本的にボディはiX xドライブ50とiX M60で共通だから、通常は500Lの容量があり、リアシートを倒せば1750Lにまで広がる、大きな荷室も変わらない。

実用性は高いといえ、庭仕事でも活躍してくれた。iX M60に切断した木材やガラクタを積むオーナーは少ないと思うが、大きな荷物も載せやすい。想像以上の仕事ぶりだった。

BMW iX M60(英国仕様)
BMW iX M60(英国仕様)

テストデータ

気に入っているトコロ

新しい充電ステーション:グリッドサーブ社のサービスは、さらに評価を高めた。アイオニティ社の施設も好印象だった。

気に入らないトコロ

信頼性:残念だが、iX xドライブ50には不具合続きで乗れていない。どんなクルマでも望ましくないが、約10万ポンド(約1600万円)の英国価格を考えると、なおのこと。

テスト車について

モデル名:BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
新車価格:9万9965ポンド(約1599万円)
テスト車の価格:11万6965ポンド(約1874万円)

テストの記録

航続距離:540km
電費:5.1km/kWh
故障:アラーム用センサーの腐食、メーター用モニターのクラッシュ
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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