どこまでも走り続けたい最高のスポーツカー 10選 「運転の楽しさ」を教えてくれる1台

公開 : 2023.06.25 18:05

2. ポルシェ718ボクスターおよび718ケイマン

小型化された4気筒ターボガソリンエンジンを搭載し、2025年にEVに置き換わろうとしている現在でも、ポルシェ718は販売中のミドエンジン搭載スポーツカーの中で最も完成度の高いモデルであることに違いはない。2016年以降、このクルマのエンジンに対する不満の声が各方面から上がり、ポルシェは最上位のGTSにフラット6エンジンを導入した。しかし、4気筒であれ6気筒であれ、ボクスターとケイマンが優れたスポーツカーであることに疑いの余地はないだろう。

2016年に同車に搭載された2.0Lおよび2.5Lのフラット4ターボは、サウンド、スムーズさ、レスポンスの鮮明さ、リニアリティ、動作範囲の狭さ、そしてポルシェらしいドライビングの魅力に欠けるとの指摘を集めた。その後、ポルシェは2.0LエンジンをWLTP排ガス規制に対応させるために再チューニングし、ボクスターTとケイマンTをリリースしたが、そのレスポンスの悪さが再び物議を醸した。

2. ポルシェ718ボクスターおよび718ケイマン
2. ポルシェ718ボクスターおよび718ケイマン

しかし、2019年に予想外の展開が見られた。自然吸気のフラット6エンジンが上位モデルのGTS、GT4、ボクスター・スパイダーに再導入されたのだ。992型911の3.0Lユニットをベースに、4.0Lに拡大され、ターボが取り除かれたこのエンジンは、いかなる基準でも素晴らしいものだ。ロングギアのマニュアル・トランスミッションは718に似つかわしくないが、2ペダルのPDKを選べばこれを回避することができる。

ボクスターもケイマンも実用的で、常に魅力的な走りを見せ、4気筒でも十分に速い。718には、まだすべてが備わっている。718に勝つには一世一代の素晴らしいダイナミクスを持つクルマが必要だ。

3. アリエル・アトム4

5万ポンド(約870万円)の予算があり、自分自身を楽しませるためだけに使える人であれば、最もストレートで明白な答えの1つであるアリエル・アトム4を見過ごすなんて不本意だろう。

この軽量な2シーターは、オートバイであり、クルマであり、チューブでできた珍品でもある。もちろん、実用に耐えるクルマではないことは明らかだ。しかし、ドライバーに十分なコミットメントを要求する一方で、非常に雄弁かつ個性的だ。英国編集部が大好きなライトウェイトスポーツカーであるアトムは、本質的なことに焦点を当てている。フロントガラスはオプションであり、未装着の場合はヘルメット着用が必須となる。

3. アリエル・アトム4
3. アリエル・アトム4

圧倒的なスピードと無敵の興奮は、このクルマの最大の魅力だ。ホンダ製の4気筒ターボエンジンが355psのパワーで600kg弱の車体を動かす。心を揺さぶるのはスーパーバイクのような加速だけではない。アトムのシャシーは独特の調整機能を備えており、バンピーな一般道でもサーキットと同じように簡単に走らせることができる。これは、サーキットで暴れまわるだけのパワーやフィジカルを持つ従来のクルマには、ほぼ言えないことである。

サーキットでアトムに乗り、その性能を余すところなく引き出すことは、2023年のスポーツカーでは希少な体験だ。そして、コースを出てからベルトを緩め、ダンパーの緊張を解き、ゆっくりと揺れながら帰路に着くと、他の四輪車では味わえないような、生きているという実感を得ることができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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