リンカーン・コンチネンタル -フォックス(第7世代、1981~1987年)

「フォックス」プラットフォームは、当時としては異例のモジュール式だった。フォードの高級車ブランドであるリンカーンはこれを利用して、1981年に7代目コンチネンタルをデビューさせることに成功した。マスタングの構造を進化させたものを使用することで、リンカーンは1980年代初頭に米国自動車業界に押し寄せたダウンサイジングの波に上手く乗ることができた。その結果、コンチネンタルは先代よりも18インチ短く、180kgほど軽くなっている。そして以前と変わらず、クッションの効いた、ソフトなサスペンションを維持していた。

リンカーン・コンチネンタル -フォックス(第7世代、1981~1987年)
リンカーン・コンチネンタル -フォックス(第7世代、1981~1987年)

フォード・フォーカス – C1(第2世代、2004~2014年)

フォードの経営陣は、1990年代後半にグローバル・シェアード・テクノロジーズと呼ばれる戦略を打ち出したが、それは自分たちの手に余るものを抱え込んでいることに気づいたためだろう。この戦略は、開発プロセスを合理化するため、社内のアーキテクチャーとドライブトレインの数を大幅に減らすというものだった。第2世代フォーカスに採用された「C1」プラットフォームは、エコノミー志向のハッチバックから高級コンバーチブルまで、幅広い車種を作るために設計された。

このアプローチは理にかなっていたが、米国市場はその合理化キャンペーンの対象に含まれていなかった。2007年から2010年にかけて米国で販売された2代目フォーカスは、初代フォーカス(1998年)のC170プラットフォームを進化させたまったく別のクルマだった。

フォード・フォーカス - C1(第2世代、2004~2014年)
フォード・フォーカス – C1(第2世代、2004~2014年)

マツダ3 – BK(初代、2003~2014年)

フォードはフォーカスを「C1」と名付けたプラットフォームで製造し、マツダは初代3(日本名:アクセラ)を「BK」と名付けたプラットフォームで製造した。いずれも、根本的には同じものだ。フォード、マツダ、ボルボの3社は1990年代後半に手を組み、ドイツでプラットフォームを設計し、それぞれ独自の社内呼称を選んだ。ボルボでは、C30やV50などに使用するプラットフォームを「P1」と呼んでいた。

この提携は理にかなっていた。当時、フォードはマツダとボルボの株式を100%保有していたのだ。

マツダ3 - BK(初代、2003~2014年)
マツダ3 – BK(初代、2003~2014年)

フォード・モンデオ – EUCD(第3世代、2007~2014年)

フォードは、グローバル向けの大型車のために「EUCD」プラットフォームを開発した。3代目モンデオやミニバンのSマックスなどがこのプラットフォームで作られたが、使用したブランドはフォードだけではない。同時傘下にあったボルボをはじめとする高級車部門は、EUCDをベースにかなり多くのモデルを製造した。

フォード・モンデオ - EUCD(第3世代、2007~2014年)
フォード・モンデオ – EUCD(第3世代、2007~2014年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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