史上最速ハイパーカーへ ポルシェ・ミッションX、英で実車公開 2027年発売か

公開 : 2023.07.16 06:05

ポルシェの75周年を記念して製作されたEVハイパーカー「ミッションX」がお披露目されました。ニュル最速を目指し、可能な限りの軽量化と充電能力の向上を目標としています。

ニュル最速を目指すEVハイパーカー

ポルシェは、ブランド創立75周年を記念して開発されたハイパーカー・コンセプト「ミッションX」を、7月13日開幕の英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で公開した。カレラGTや918スパイダーの後継モデルとなる可能性を秘めている。

ポルシェ・ミッションXは、高性能な電動パワートレインを搭載する軽量「スーパー・スポーツカー」を目指したものだ。後輪駆動の2シーターで、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで市販車最速記録の達成を目標としている。

英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で公開されたポルシェ・ミッションXコンセプト
英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で公開されたポルシェ・ミッションXコンセプト    AUTOCAR

「ミッションX」という名称は、タイカン(2019年発売)を予告した2015年のミッションEコンセプトや、718ボクスター/ケイマンのEV版(2025年頃に発売見込み)を予告する2021年のミッションRコンセプトを踏襲したネーミングだ。

これらのタイムラインに基づけば、ミッションXをベースにした市販車が登場するのは、2027年頃となりそうだ。ポルシェが独自に開発しており、ポルシェが株式を保有するクロアチアのEVメーカー、リマックとは無関係であると考えられている。

最高出力は1500ps近く?

ミッションXのボディサイズは全長約4500mm、全幅約2000mm、全高1200mm未満、ホイールベース2730mm。フロント20インチ、リア21インチのホイールを装着し、エアロダイナミクスを重視したエクステリアデザインとなっている。

ポルシェはパワートレインに関する詳細を明かしていないが、「技術的ビジョン」を掲げ、エンジニアが量産にこぎつけるために達成すべき一連の開発目標を示している。その中にはニュルブルクリンクのラップタイム更新も含まれ、現在の記録保持車であるメルセデスAMGワン(6分35秒18)を超えようとしている。

英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で公開されたポルシェ・ミッションXコンセプト
英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で公開されたポルシェ・ミッションXコンセプト    AUTOCAR

ミッションXは効率性と軽量設計に重点を置き、パワーウェイトレシオは1kgあたり1psを想定する。目標重量は明らかにされていないが、現行の911に近い約1400~1500kgになると思われる。その場合、パワーウェイトレシオから最高出力は1500ps近くになる計算だ。

バッテリーは座席の後ろ、つまり従来のミドシップ車のエンジンが置かれる場所に配置される。このレイアウトは「Eコア」と呼ばれ、以前のミッションRコンセプトでも同じアプローチが見られた。質量を集中させてハンドリングを向上させるとともに、一般的なスケートボード型シャシーよりも低いボディ設計が可能となる。

また、ダウンフォースについては現行の911 GT3 RS(285km/hの速度で最大860kg)を「はるかに超える」ことも、開発上の目標とされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事