巨体なのに…… 新型アルピナXB7試乗 アルピナ・マジックあるか

公開 : 2023.08.02 17:45  更新 : 2023.08.02 20:11

アルピナ・マジックの感覚は、2倍2倍!

では「アルピナってコレだよね!」のコレとは果たして何なのか? この命題に突き当たるといつも表現が抽象的になってしまうのだが、今回はいい機会なので考えてみることにした。

前期型を試乗した際は「こういうカジュアルなアルピナもありですよね」的な締め方だったのだが、今回の印象は違う。新型XB7は筆者が考える「これこそ王道!」といえるアルピナだったのだから。

アルピナの動的質感に対する筆者の印象はいつも、まるでタイヤ幅が2倍あるような、そしてサスペンションストロークも(フルに使わないにしても)2倍あるような。防音防振材増し増しに感じられると筆者。
アルピナの動的質感に対する筆者の印象はいつも、まるでタイヤ幅が2倍あるような、そしてサスペンションストロークも(フルに使わないにしても)2倍あるような。防音防振材増し増しに感じられると筆者。

パワートレインに関しては、シャシーファスターというより、最後のところで一歩だけパワートレインが引き下がる感じ。ギリギリまでせめぎ合いつつ調和している。

一方のアルピナのアシまわりは、まっすぐでも曲がっていてもソリッドに働くBMW Mのそれに対し、しっとりとした厚みを感じさせてくれるもの。

アルピナの動的質感に対する筆者の印象はいつも、まるでタイヤ幅が2倍あるような、そしてサスペンションストロークも(フルに使わないにしても)2倍あるような。防音防振材増し増しに感じられるのだ。

アルピナ=ドライバーが頑張らなくてもどんどんペースが上がっていくクルマ、もしくはスポーティであると同時にラグジュアリーでもあるクルマだとすれば、そんな例えもあながち的外れではないと思う。

少し話が逸れてしまったが、新型XB7の結論は明快だ。ボディサイズや車重から説明がつかないドライバビリティはまさにアルピナ・マジックそのもの。

メーカーとしては最終段階に入った現在のアルピナだが、クルマ作りの腕前は今なお冴えわたっていたのである。

アルピナXB7のスペック

価格:2740万円
全長:5180mm
全幅:2000mm
全高:1835mm
最高巡航速度:290km/h
0-100km/h加速:4.2秒
燃費:-
CO2排出量:-
車両重量:2670kgkg
パワートレイン:4.4L V型8気筒ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
エンジン最高出力:621ps/5500-6500rpm
エンジン最大トルク:81.6kg-m/1800-5400rpm
モーター最高出力:12ps/2000rpm
モーター最大トルク:20.4kg-m/0-300rpm
ギアボックス:8速オートマティック

BMWアルピナXB7
BMWアルピナXB7

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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