路上のプライベートジェット レクサスLMへ英国試乗(1) 豪華な移動ラウンジ兼オフィス

公開 : 2023.09.29 19:05

プライベートジェットのような雰囲気

リアシートのオーナーが望む以上に、周囲からの視線を集める可能性はある。だが、スモークのサイドガラスを覆うブラインドを完全に閉めれば、理想的なプライベート空間を生み出せる。

インテリアは、ガルフストリームG650やホンダ・ジェットといった、プライベートジェットへ通じる雰囲気を漂わせるが、これは偶然ではない。航空機メーカーと、「超」富裕層の協力を受け、かつてないほど豪華な空間の創出が目指されたそうだ。

レクサスLM(欧州仕様)
レクサスLM(欧州仕様)

レクサスのラインナップを俯瞰しても、これほどラグジュアリーな内装は見当たらない。最新技術も満載だ。ベントレーロールス・ロイスに並ぶ水準といっても、過言ではないだろう。

左右で独立したリアシートには、個別に車載タブレットが用意され、エアコンやマッサージ、ブラインド、リクライニングなどの機能を手もとで操作できる。電動ルーフと間接照明、モニターのコンテンツ選択、スライドドアの開閉などにも対応する。

これらを操作するボタン類は、プライベートジェットのように天井側のパネルにも用意されている。だが、背もたれを深く倒すと手が届かなくなるため、タブレットは有用だといっていい。

高級な移動ラウンジであり移動オフィス

LMは、高級な移動ラウンジであると同時に、移動オフィスでもあるとレクサスは主張する。試乗車の4シーター仕様では、ロンドンに構えられる多くの役員室より、設備は整っているとか。

トップグレードのタクミを選択すると、フロントシートの背後へ、ボタン1つで上下する48インチ・モニターが実装される。同じく可動式のキャビンデバイダーも備わり、ワンタッチで透過性を変更できる。

レクサスLM(欧州仕様)
レクサスLM(欧州仕様)

巨大なモニターは、左右2画面に分割表示でき、2台のノートパソコンを接続可能。生産性を高められるうえに、ネットフリックスのコンテンツ選びで、どちらかが譲歩することもなくなる。

独立したアームチェアの肘掛け部分には、格納式のテーブルが仕込まれている。引き出して展開し、溜まった仕事へ集中し始めたら、自分がクルマの中にいることを忘れてしまうかもしれない。

プライベートジェットと異なり、サイドウインドウは大きい。シートはしっかり身体を保持し、路面のコブやコーナーを通過しても、揺れを最小限に抑えてくれる。画面を見つめていても、他のモデルほどクルマ酔いはしにくいはず。

フロントシートのショーファーが積極的に運転しだすと、リアシートの快適性に陰りが出てくる。テーブルの上のノートパソコンが左右へ滑り、ミスタイプを誘発するだろう。そんな場合は仕事の手を止めて、背もたれを楽な角度にし、休憩するのが良さそうだ。

この続きは、レクサスLMへ英国試乗(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

レクサスLMへ英国試乗の前後関係

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