少々の時代遅れ感は否めない BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(1)

公開 : 2023.10.28 17:45

ドーバー海峡を越えヨーロッパ大陸へ

間違いなくM3 ツーリングは速い。ドライバーすらノックアウトされそうな、鋭い加速を何度か試したが、給油時には燃費が悪化したという事実へ向き合うことになるはず。横方向のグリップ力も素晴らしいが、そこまで必要になる場面は限られるだろう。

ダンパーの減衰力も秀逸で、回頭性は一層鋭敏だった。ワインディングで時々走りを楽しむことはあると思うが、乗る度に硬めの乗り心地と付き合うことにもなる。覇気が薄れてきた中年の男性には、少々ハードすぎるようだった。

BMW M340i xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW M340i xドライブ・ツーリング(英国仕様)

というわけで、このM340i ツーリングと筆者はしばらく一緒に暮らしている。子どもは独立し、夏を夫婦2人だけで過ごすのは25年ぶり。何年間も考えてきたことを、やっと実行することができた。

まず手始めに、自宅のあるグレートブリテン島の中西部、ウェールズ州から脱出。ドーバー海峡を越えてヨーロッパ大陸へ渡り、スイスからイタリア、スロベニア、クロアチア、ボスニアを巡るという保養も兼ねた自動車旅行を楽しむことにした。

旅程は2週間。5日ほどクロアチアの宿泊施設でのんびり過ごしたが、走行距離は合計5640kmに及んだ。これだけ運転すれば、M340i ツーリングの特徴をしっかり確認できる。魅力だけでなく、細かな弱点もしっかり表面化してくるものだ。

この続きは、BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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