凛とした電動ステーションワゴン 1500L超の大容量トランク、実用EVが新登場

公開 : 2023.11.27 06:25

・英国で新型アストラ・スポーツツアラー・エレクトリックが発売。
・実用性を重視した、凛々しくクールなデザインの電動ステーションワゴン。
・ヴォグゾール、ライバル少ない「ブルーオーシャン」へ投入。

英国ブランドからEVワゴン登場

英国の自動車メーカーであるヴォグゾールは、新型電動ステーションワゴンのアストラ・スポーツツアラー・エレクトリックを発売した。価格は3万9995ポンド(約750万円)から。

Cセグメント車のアストラ・スポーツツアラーのEV版で、1回の充電での航続距離は412kmとされる。欧州では、兄弟ブランドのオペルから同名ですでに販売されている。現時点では日本導入の情報は未確認。

ヴォグゾール・アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック
ヴォグゾール・アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック    ヴォグゾール

54kWh容量のバッテリーと1基の電気モーターを搭載し、最高出力155psと最大トルク27.5kg-mを発生。前輪駆動方式を採用しており、0-100km/h加速は9.2秒となる。

ヴォグゾールによると、エネルギー効率は6.7km/kWhに達するという。充電は最大100kWに対応し、20~80%の充電に26分かかる。

インテリアでは、全車に10.0インチのインフォテインメント・タッチスクリーンとデジタルメーターディスプレイを標準装備する。トランク容量は516Lで、後部座席を倒せば1553Lに拡大できる。

ミドルグレードの「GS」にはブラックの外装アクセント、360度カメラ、アダプティブ・クルーズ・コントロールが装備され、価格は4万2445ポンド(約790万円)から。最上位グレードの「アルティメット」には、アダプティブ・ヘッドライトとパノラミック・サンルーフが追加され、4万5505ポンド(約850万円)からとなる。

ライバル少ない「ブルーオーシャン」?

アストラ・スポーツツアラー・エレクトリックには実質的な競合車種が少ない。英国では長い間、MG 5 SW EVがほぼ唯一の電動ステーションワゴンだったが、現在はアストラの兄弟車であるプジョーe-308 SWが加わっている。他社も少しずつ参入しつつあり、今後成長が期待されるジャンルだ。

しかし、ヴォグゾールにとって販売の主力となるのは、全長が短いハッチバック仕様のアストラ・エレクトリックと見られている。同社の英国部門代表、ジェームズ・テイラー氏は5月の取材で次のように述べた。

ヴォグゾール・アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック
ヴォグゾール・アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック    ヴォグゾール

「電動のアストラをラインナップに加えることは、当社にとって非常に重要です。ヴォグゾールは、BセグメントであろうとB-SUVセグメントであろうと、純EVで優位に立ち、勝利を収めてきました。(アストラ・エレクトリックは)CセグメントのEVという、より大きなチャンスへの大きな足がかりを与えてくれるでしょう」

トレンドに沿った電動パワートレインをヒットモデルに搭載することは、競争力を維持するうえで重要だとテイラー氏は説明する。

「EVのトップメーカーになりたいのです。ヴォグゾールは今、EV第一主義を徹底しています」

「EVはすべてのブランドにリセットのチャンスを与えました。当社もその機会を利用したい」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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