実用性も備わる凛々しいボディ ヴォグゾール・アストラ・スポーツツアラーへ試乗 ストレスフリーのPHEV

公開 : 2023.09.15 19:05

アストラのステーションワゴン、スポーツツアラーへプラグインHV版が登場 1.6L 4気筒+モーターで180psと36.5kg-m オススメは軽い1.2L版

1.6L 4気筒+駆動用モーターで180psと36.5kg-m

ステランティス・グループ傘下になり、新世代へ生まれ変わったヴォグゾールオペル)・アストラ。そのステーションワゴン版、スポーツツアラーの英国での販売がスタートする。

今回試乗したのは、GSグレード。1.6L 4気筒ガソリン・ターボエンジンに駆動用モーターが組み合わされたプラグイン・ハイブリッドで、前者の150psと25.3kg-mに後者の110psと32.5kg-mが組み合わされ、システム総合で180psと36.5kg-mを発揮する。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)

ちなみに、従来的な1.2L 3気筒ガソリン・ターボエンジンもラインナップされる。

駆動用バッテリーの容量は、12.4kWh。充電能力は最大3.7kWがうたわれるが、500ポンド(約9万円)の追加費用で、7.0kWまでアップグレードも可能。電気の力だけで走れる距離は、67kmから72kmになるという。

ちなみに、同等のシステムを搭載するハッチバックのアストラを例に挙げると、現実的な環境では最長48km走れるようだ。温かい天気の日で。スポーツツアラーが、それを超えることはないだろう。

平均的な通勤距離のドライバーなら、1度の充電で自宅から会社までの往復をまかなえるかもしれない。だが、プラグイン・ハイブリッドが自身のライフスタイルへ最適なパワートレインか、改めて確認する価値はある。

実用性もしっかり備わるハンサムボディ

駆動用バッテリーを日常的に充電することが難しかったり、長距離を頻繁に走るドライバーなら、1.2Lエンジン版も悪くない。車重は約340kgも軽く、燃費は良好で、車両価格もずっとお手頃になる。

英国では一般的な会社からの貸与車両として乗る場合、プラグイン・ハイブリッドは現物給付税で有利になる。カタログ値の燃費が90.6km/L、CO2の排出量が23-24g/kmと優秀だからだ。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.6プラグイン・ハイブリッド GSライン・スポーツツアラー(英国仕様)

新世代へ一新したアストラはスタイリングが凛々しく、英国編集部での評価は高い。最近のオペルのデザインスタイルは、シャープで勢いがあると思う。それは、このスポーツツアラーにも通じる。

ステーションワゴンが集めていた支持は、SUVやクロスオーバーへ取って代わられた。それでも、スポーツツアラーの見た目は均整が取れハンサムだし、実用性もしっかり備わっている。

荷室の容量は、1.2Lエンジン版で597Lもあり、家庭用の洗濯機を倒して載せられるほど。開口部の位置はSUVより低く、重たい荷物も積みやすい。荷室の床面は分割して利用でき、テールゲートは電動で開閉する。

スポーツツアラーの全長は、ハッチバックのアストラから268mm伸ばされ、荷室容量へ貢献している。ホイールベースは57mm伸ばされ、リアシート側の空間にゆとりが生まれている。

リアシートの背もたれは40:20:40へ分割して折り畳め、荷室容量は最大1634Lまで拡大可能。外したトノカバーを仕舞える場所まで用意されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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