オークションの読み方 「RMサザビーズ・サンタモニカ・オークション」

最終更新日:2017.07.03

RMサザビーズに、一般のエンスージァスト向けオークションが存在するのをご存じですか? “お値頃車” を中心とした「サンタモニカ・オークション」の解説をお届けします。

3ページで分かる「RMサザビーズ・サンタモニカ・オークション」の “読み方”

●2016.06.24 RMサザビーズ・サンタモニカ・オークション
高額なモデルを得意とすることで知られるRMサザビーズだが、時には一般のエンスージァストを対象としたオークションも開かれる。このサンタモニカ・オークションではお値頃車を中心とした175台が用意された。

text: Kazuhide Ueno(上野和秀)

 
RMサザビーズと聞くと特上クラスの極め付きの高額なモデルを主に扱うオークションハウスというイメージがあることだろう。その傾向は周知の事実であるが、現実的な額のクルマを中心に用意するオークションも開かれている。それを代表する存在が今回のサンタモニカ・オークションなのである。

場所がら’50〜60年代のアメリカ車が多いのが特徴で、スポーツモデルからピックアップまで新旧様々なタイプが並んだ。もちろんRMサザビーズらしく、少数だが特上クラスの車両も用意され会場を盛り上げた。ちなみにここで最高落札額を記録したのは「1960年メルセデス・ベンツ300SLロードスター」の1億2320万円。

ベスト5は、
・1960年メルセデス・ベンツ300SLロードスター/1億2320万円
・1992年フェラーリF40/1億719万円
・1929年デューセンバーグ・モデルJ コンバーチブル・ベルリーヌ・マーフィー/9856万円
・1930年キャデラックV-16ロードスター・フリートウッド/8932万円
・1995年ポルシェ993カレラRS3.8/4867万円
という顔ぶれになった。

お値頃の物件が多かった

今回は175台用意された内113台が落札され成約率は64.57%と低調だった。絶対的な台数が多く、同じモデルが複数用意されたこともあるが、リストを見ると高額な車両が流れる傾向にあることが分かる。フェラーリを例に挙げると、別格のF40は100万ドルにこそ届かなかったが決着し、このほか308GTS、モンディアルTカブリオレ、599GTBフィオラーノ、F430スパイダーF1などのお値頃のモデルが落札されたのみ。ちなみに成約したのは15台中5台のみと低調だったことからも分かろう。全般に落札価格は特別なモデルを除くと沈静化しつつあるように見える。

逆にいつものオークションと違って安い物件が多かったのが特徴だ。最安値を記録したのはコテコテにカスタム化されたオースチン・アレグロ(ノーマルでもレアだが)の16万円で、1万ドル(112万円)以下で落札された車両は15台を数えた。ちなみに2万ドル(224万円)以下では38台、3万ドル(336万円)まで引き上げると54台を数え、いつもとは様相が違っていたことが分かろう。

次ページから、トピックとなるモデルを個々に分析していく。
 

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