クルマ漬けの毎日から

2022.12.31

取材を通して見た「2022年」後編【クロプリー編集長コラム】

10月 1904年製(!)のローバー

AUTOCAR(英国版)のエディターのマーク・ティショーは、過去よりも未来に目を向けることを好む。このことは私たち同僚の間ではよく知られている。

だが、彼は今年、過去に目を向けた。1904年製造のローバーをブライトン・ランで走らせたのだ。

ブライトン・ランに出場できるのは、1905年以前に製造された「ベテランカー」と呼ばれるクルマ。11月の本番に先立って、ティショーは10月にブリティッシュ・モーター・ミュージアム(イングランド中部のゲイドン)の駐車場でベテランカーの運転を練習した。

この写真はその時撮影したもの。今年のブライトン・ランは、近年のこのイベントでもっとも悪天候の1日となり、参加者はふりしきる雨のなか、ルーフもフロントウインドウもないベテランカーを運転しつづけた。

だが、それでもティショーは、彼にとって人生最高のドライブになったと話している。

11月 スポーツトライアル

スポーツトライアルのチャンピオン、エンジニア、さらにカーコンストラクターでもあるジュリアン・ファーク。

今年、私は彼から多くのことを学んだ。こういう小型の二輪駆動車に乗ったのは初めての経験だったが、その機会を与えてくれたのも、ジュリアンだ。

この二駆は、専用に生産された四駆よりも、ぬかるんだ丘を2倍上手く上っていくことができる。

写真は、スポーツトライアルの試乗会で撮影した1枚。20年前に自身でつくった「インピュニティ」に乗って、ジュリアンは下り坂を走行中。このマシンには、ヒルマン・インプのエンジンが搭載されている。インピュニティは現在でも、スポーツトライアルに出場して勝利を挙げている。

12月 ウェルズ・ヴェルティージ

ウェルズ・ヴェルティージのことを覚えているだろうか?

それはガルウィングのスポーツカーで、ミュージシャンであり起業家のロビン・ウェルズが出資し、自らデザインを手掛けているクルマ。

このプロジェクトは、ここ数か月のあいだに大きく前進している。チームは、ゲイドン近郊のビショップス・イッチントン(イングランド中部)に「小さなマクラーレン」のような特別な工場を新設した。

写真に写っているのがそのチームで、一番左がロビン・ウェルズ。新工場に移転直後に撮影。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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