クルマ漬けの毎日から
2025.01.20
ブリティッシュ・モーターミュージアムに展示されている1台のT型フォード。それは、かつてロンドンからジュネーブまでクロプリー編集長が運転した、まさにあの時のT型フォードでした。28年振りの再会です。

28年振りの再会! 思い出のT型フォード【クロプリー編集長コラム】
もくじ
イギリス製 T型フォード

ブリティッシュ・モーターミュージアム(イングランド中部のゲイドン)を訪ねた。同僚のマット・プライアと私はよく彼の家でポッドキャスト「My Week In Cars」の収録をしているが、この自動車博物館はマットの家から近いので、収録後にぶらりと立ち寄ったのだ。
今回驚いたのは、見覚えのある古い4輪車がミュージアムのロビーに展示されていたこと。それは「トーピード」と呼ばれるボディスタイルを持つ、1912年モデルのT型フォード(登録ナンバー:DN 362)。
このT型フォードはマンチェスターのトラフォードパークで製造された。イギリスで製造されたT型フォードのなかでは、現存するものとして2番目に古い。
1997年3月、コーリン・グッドウィン(自動車ジャーナリスト)と私は、まさにこのT型フォードの個体を運転して、ロンドンの中心部からはるばるスイスのジュネーブショーの会場まで旅をした。
そして到着後には、当時フォードのグローバルプレジデントだったジャック・ナッサー氏に会って、このクルマのことを話した(当時ジュネーブショーは1年の重要イベントの1つだった)。T型フォードでの長距離ドライブは、コーリンにとっても私にとっても、この仕事をしていてもっとも貴重な体験の1つとなっている。
ボディカラーの変更

ところで、このクルマのボディカラーは、私たちがジュネーブまで運転した当時とは異なっている(当時は赤だった)。
だが、ブリティッシュ・モーターミュージアムの収蔵責任者のスティーブン・ラング氏によれば、このT型フォードはまちがいなく私たちがスイスまで運転した個体だという。思いがけずこのT型フォードに再会できたのは、じつに嬉しい出来事だった。