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稀代な3台のロータリー マツダ・コスモ、NSU Ro80、シトロエン・ビロトール 前編

2019.10.19

100字サマリー

NSU Ro80とシトロエンGSビロトール、マツダ・コスモは、ロータリーエンジンを搭載したクルマという点で共通しています。しかも3台は1人の非凡なオーナーによって大切に乗られています。惹きつける魅力とは何なのでしょうか。

もくじ

ほぼ新車状態のシトロエンGSビロトール
通常のGSには備わらない活発さ
一番高級感の漂うNSU Ro80
NSU Ro80の良さを広く伝えたいという思い
ロータリーエンジンを搭載した3台のスペック

ほぼ新車状態のシトロエンGSビロトール

text:Martin Buckley(マーティン・バックリー)
photo:John Bradshaw(ジョン・ブラッドショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

シトロエンは、NSU社との共同投資でコモーター社を設立し、ドイツのお隣に位置する小国、ルクセンブルクに小さなロータリーエンジン工場を準備。初めに50psのシングルローターエンジンをアミ・クーペに搭載し、267台を製造した。M35と呼ばれ、1969年から1972年まで製造。評価目的で特別な顧客へ貸与されている。

ハイドロ・ニューマチック・サスペンションの補機類の専有面積が大きくエンジンは横置きとなっているが、スペアタイヤに隠れて殆ど見えない。見た目もRo80のユニットとは大きく異なる。内部構造は共通だが、ブレーキやサスペンション動作用のポンプなどによるエネルギー損失が大きく、かなり非力に感じられた。

シトロエンGSビロトール
シトロエンGSビロトール

シトロエンが3年落ちのGSを初めてのロータリーエンジンのベース車両に選んだことは不思議に思えるが、3ローター・エンジン版のCXプロトタイプも控えていた。恐らく大型車の方が、燃費が悪くてもパワフルで先進的なエンジンに対して、オープンな考えを持っていたのだろう。

フェンダーが大きく膨らみホイール・ボルトが5本なこと以外、アピアランスはGSと似ているが、中身は異なる。サスペンションやシャシーは、CXなどからの流用品と専用の開発部品が組み合わされていた。アウトボード化されたフロント・ディスクブレーキの取り付け位置は、設計上の過ちとしか思えない。

走行距離はわずか5300kmと、フィリップ・ブレイクが所有するGSビロトールはほぼ新車状態。1974年にシトロエンのディーラーは、本社へ売れ残ったビロトールの登録書類とシャシーナンバーのプレートを送り返した。おかげでシトロエン社から巨額の補償を受け取ることができた。加えてクルマは手元に残し、展示会に出品していたという。

 
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