24kWhのバッテリー搭載 BMW X5 xドライブ45eに試乗 PHEV 一歩EVへ近づいたX5

公開 : 2019.11.24 09:50

BMWのSUV、X5に6気筒エンジンを搭載したプラグイン・ハイブリッドが登場しました。バッテリー容量も倍以上の24kWhまで増やされ、EVとしての走行距離も伸ばされています。ドイツ・ミュンヘンで評価しました。

14.8kWhも容量が増えたバッテリー

text:Greg Kable( グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ここに来て急増傾向にあるBMW製プラグイン・ハイブリッド(PHEV)の最新モデルが、X5 xドライブ45e。すでに英国での販売が始まっており、価格は6万5760ポンド(920万円)となっている。

高級なプラグイン・ハイブリッドSUVとして、従来のX5 xドライブ40eと交代するかたちで登場した。パワーが増強され、走行性能も向上している。だが重要なのは、二酸化炭素の排出量の減少と、EVとしての走行可能距離が伸ばされた方だろう。

BMW X5 xドライブ45e
BMW X5 xドライブ45e

新しいX5 45eの心臓となるのは、745eに搭載されているものと同じ。BMW製の直列6気筒ガソリン・ターボエンジンは、最高出力286psと最大トルク45.8kg-mを発生。112psと26.9kg-mを発生する電気モーターは、トランスミッションと一体になっている。

システム総合として機能する最高出力は394psで、最大トルクは60.9kg-m。トランスミッションは8速ATで、BMW自慢のxドライブと呼ばれる4輪駆動システムを介して、4本すべてのタイヤを駆動する。

先代のX5 xドライブ40eと比較すると、システム総合で78psと13.8kg-mの増強となる。40eの方は2.0Lの4気筒ターボエンジンと電気モーターとの組み合わせだった。

45eの電気モーターのエネルギー源となるのは、荷室の床下に搭載された24kWhのリチウムイオン・バッテリー。40eに搭載されていたバッテリーの容量は9.2kWhしかなかったから、容量は14.8kWhも増えたことになる。

気付かれないように加勢するエンジン

その結果、WLTP値でのEVとして走行可能な距離は最大で87kmへと大きく伸びている。燃費もそのぶん良くなり、WLTP値で52.6km/Lから83.3km/Lの間と、かなり良くなった。二酸化炭素の排出量も、公称値では44g/kmから27g/kmに留まる。

BMW X5 xドライブ40eからX5 xドライブ45eの進歩の度合いは、かなり大きい。増強されたパワーによって、走行性能も引き上げられ、EVとして走行可能な距離も大幅に伸ばされているだけでなく、クルマとしての上質さも大きく高まった。

BMW X5 xドライブ45e
BMW X5 xドライブ45e

EVモードとなるeドライブモードを選択すれば、可能な限り電気モーターだけの力で走ろうと努力してくれる。深くアクセルペダルを踏み込まなければ、市街地ではかなりの距離をガソリンを燃やさず走行できる。

トランスミッションの前方に挟み込まれた電気モーターは、即時的に力強いトルクを発揮し、条件が許す限り静かにX5を進める。6気筒エンジンは、アクセルペダルを深めに踏み込んで、より力強いパワーが必要な時以外目覚めない。

3.0Lの直列6気筒エンジンは、従来の4気筒ガソリンエンジンと比べると、非常に滑らかで上質なフィーリングなことがわかる。必要になればそっとエンジンが始動しシームレスに駆動力を加えるが、必要がなくなれば、気づかれることなくエンジンは停止する。

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