セアト、過去最高の業績に 若きCEOの1日に密着 見据える未来とは

公開 : 2017.12.02 18:10  更新 : 2017.12.14 12:35

イタリア人ルッカ・デ・メオはVWグループの最も若いブランド・セアトを空前の成功に導いています。スティーブ・クロプリー英国編集長がその秘密を探りました。

text:Steve Cropley(スティーブ・クロプリー)

もくじ

セアトを導く、ミラノ生まれの50歳
9:15 AM デ・メオがスペインに惹かれるわけ
決断は、意外にも直感だった
9:45 AM 適切かつ極めて重要な貢献
10:30 AM ミレニアル世代への戦略
11:30 AM ファクトリー4.0とは何か
12:30 PM デザイン部門ボスとランチ
1:30 PM 副社長との打ち合わせに潜入
2:30 PM 「誇り」と「プレミアム」は無縁だ
3:30 PM 大きな勇気こそ大切である

セアトを導く、ミラノ生まれの50歳

雨が降っている。本当に土砂降りだ。バルセロナ郊外のセアト本社に向かうひとたちは皆、顔を合わせるたびにこの季節はずれの大雨をお詫びしてくれる。今日だけは、英国の天気をからかったスペインのジョークは通用しない。

われわれは巨大なセアトのマルトレル工場に向かっている。最終目的地は、6階建ての管理棟ビル最上階にある役員室だ。すっきりとした現代的な白いオフィスで大きな壁画がかかっている。欧州で最も成長著しい自動車メーカーにはうってつけだ。購入層は他メーカーより明らかに10歳若いという。

われわれは1日かけて、フォルクスワーゲン・グループのお荷物、いやそれは昔の話で今ではすっかり立派になったスペインのメーカーの秘密を探ろうとやってきたのだ。特に社長になって2年のルッカ・デ・メオのことを。

彼はミラノ生まれの50歳で、この3月に会社は創立以来最高の業績を達成した。

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