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2019.03.17

AUTOCARアワード2019予選 真のアイコン選手権 決めるのはあなた(後編)

編集部より

いよいよ予選も後編です。60年以上続いているにもかかわらず、基本的には登場から姿を変えていない驚きのモデルや、復刻モデルが大人気の小型モデル、さらには日本が誇る意外な1台も登場します。番外編では惜しくもノミネートを逃したモデルたちをご紹介します。

もくじ

レンジローバー
フィアット500
ロータス・セブン
フォルクスワーゲン・ビートル
トヨタ・カローラ
番外編1:惜しくも選外
番外編2:問題はモデル名
番外編3:現役だったなら

レンジローバー

AUTOCAR編集部の入社テストにも使えるような優れた問題だ。現役のモータージャーナリストに、どれでも良いからこのなかの1台について、少なくともひとつは説得力のある理由とともにアイコンであることを説明するよう質問してみれば、最低でも6人はレンジローバーを選ぶだろう。

レンジローバーが現代に与えた影響力というのがその第1の理由かも知れない。もし、スペン・キングとゴードン・バシュフォードが、1960年当時、高級で安楽、そしてオンオフ双方を念頭に置いたレンジローバーというモデルを登場させようと考えなければ、現在のSUVが席捲する市場の景色はどれほど大きく違ったものになっていただろう?

もし、初期のレンジローバーが、高級で誰もが憧れるモデルとして、SUVというセグメントの可能性を示すことがなければ、いまわれわれが目にしているセアト・アテカやホンダCR-V、さらにはロールス・ロイス・カリナンといったクルマが登場することはあっただろうか? さらには、BMW、アウディ、メルセデスにポルシェといったブランドのショールームの景色はどんなものになっていただろう? まったく異なる世界だったに違いない。

今回ノミネートされたなかには、レンジローバーと同じくらいの影響力を及ぼしたモデルも存在するが、それぞれのブランドにとっての重要性という点ではどうだろう? MX-5無しでも、マツダの経営が深刻な事態になることはなかっただろうし、フィアット・クライスラー・オートモーティブも、例えジープ・ラングラーやフィアット500が無くても、同じように存亡の危機に瀕するということなどなかったはずだ。BMWのような販売台数を誇るメーカーであれば、ミニや3シリーズを含め、ひとつのモデルにその企業の命運が掛かるなどということはあり得ない。


だが、いまやランドローバーのモデルラインナップの半数以上を「レンジローバー」を名乗るモデルが占めており、最新のレンジローバーとその下に位置する派生モデルを含め、レンジローバー・ブランドだけで、欧州市場におけるランドローバー販売台数の2/3以上を占めている。レンジローバーというブランドは、いまやジャガー・ランドローバーと英国自動車産業にとって、非常に重要な地位を占めており、レンジローバー無しでは、もはやブランド自体が成立しない。

そして、それが第3と第4の理由に繋がっているのだが、それがこのクルマの卓越した商品性と、市場における比類なき存在感だ。おそらく、レンジローバーは英国製としては唯一世界基準のモデルであり、ニッチモデルとしては、間違いなくトップに君臨している。ベントレーやロールス・ロイスから同じような高級SUVが登場するまで、レンジローバーだけが、真のラグジュアリーモデルと呼べるSUVだったが、これは、3代目のL322世代が成し遂げた成果であり、BMWがレンジローバーに残した遺産だ。

第5の理由はその本物と呼べるこのクルマの完成度だ。レンジローバーは信じられないほど高級なモデルでありながら、そのオフロード性能は依然として本物のランドローバーであり、これは、商品戦略上も必須の要素となっている。ほぼ1mもの水深にも耐えうる渡河性能と、275mmもの最低地上高、さらには3.5tにも達する牽引能力、そしてエアサスペンションを上げれば27度以上を確保する各種オフロードアングルを備えつつ、Sクラス同等の洗練を感じさせるのだから、なんというモデルだろう。

最後の理由だが、これほどのボディサイズと価格のクルマのなかで、その目的を完ぺきに果たしつつ、これほどひとびとから好意の眼差しを向けられるモデルなど他にあるだろうか? SUV以外でも構わないが、ひとたびレンジローバーに乗ってみれば、このクルマに魅了されることになる。レンジローバーはすべての期待に応えるだけでなく、さらなる魅力まで備えているのだ

レンジローバーとは、どこから見ても真に驚くべきモデルであり、実はわたしが初めて自分で運転したクルマでもある。このクルマを愛しているのだ。少なくとも、個人的には「思い入れ」が第7の理由だ。
(マット・ソーンダース)

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