英国で唯一、現実的な価格で買えるスポーツカー マツダ・ロードスター 2.0スカイアクティブG(2) 傑出のドライバーズカー

公開 : 2026.06.08 18:10

専用プラットフォームの量産コンバーチブルという、特別な成り立ちのマツダ・ロードスター。シャシーの実力を最大限に引き出せ、回転数とギアを選ぶ必要性こそ醍醐味です。UK編集部が評価します。

回転数とギアを選ぶ必要性こそ醍醐味

プラグインHVやバッテリーEVへ慣れた人は、マツダMX-5(ロードスター)のエンジン音の大きさに驚くだろう。低域ではドライでこもった、特有の響きを放つ。だが回転は極めて滑らかで、7500rpmのレッドゾーンまで軽妙に吹け上がる。

2.0Lユニットは183psを発揮し、力強さも充分。0-100km/h加速は6.5秒がうたわれ、実際にその数字を達成してみせた。100km/h超での速度上昇も力強い。とはいえ自然吸気だから、中間加速はターボエンジンのようにシフトダウンいらず、ではない。

マツダMX-5(ロードスター) 2.0スカイアクティブG 184ホムラ(英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター) 2.0スカイアクティブG 184ホムラ(英国仕様)

むしろ、その回転数とギアを選ぶ必要性こそ、ロードスターの醍醐味。トルクを活かせるギアを選び、右足を傾け回転数を引っ張り、望んだパワーを展開する面白さは、他のモデルでは味わい難い。変化するサウンドも、その体験を増長する。

シフトレバーの感触は、市販車の最高水準。ストロークは短く、手応えが心地良く、コクコクとゲートを選べる。トルクが限られるから、変速の喜びを何度も味わえる。

シャシーの実力を最大限に引き出せる喜び

ペダルレイアウトは、若干右側へオフセットしているが、すぐに慣れる程度。アクセルとブレーキの配置が絶妙で、ヒール&トウでのシフトダウンも簡単に習得できるだろう。クラッチペダルの重み付けも、軽すぎず好ましい。

ブレーキは、ホムラ・グレードには4ポッドキャリパーが組まれ、耐フェード性は高い。他方、約110km/hから停止に要した距離は49.5mで、スポーツカーとしては長い部類に入った。最新銘柄ではない、ブリヂストン・タイヤが原因かもしれない。

マツダMX-5(ロードスター) 2.0スカイアクティブG 184ホムラ(英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター) 2.0スカイアクティブG 184ホムラ(英国仕様)

操縦性も素晴らしい。限られたグリップ力と小さくないボディロールで、操る楽しさが醸成されている。ステアリングホイールは重すぎず、握りやすいリムにはグリップ状態が伝わり、シャシーの実力を最大限に引き出せる。

カーブの入り口で減速し、フロントに荷重を移動すれば、安定した旋回が始まる。アクセルペダルの加減で、ラインやスタンスの調整は自在。僅かなテールスライドを誘いつつ、高速コーナーをすり抜ける強刺激は、病みつきになってしまう。

スポーツカーと思えないほど快適な乗り心地

最新のND3型に実装される、トラック(サーキット)・モードは、サーキット初心者を想定したスタビリティ・コントロールの制御だと、マツダは主張する。実際に試してみると、過度なスライドへ陥る不安を減らし、ワインディングにもぴったりだった。

もちろん、サーキット走行を学ぶのにも最適。FRのバランスと荷重移動、アンダー/オーバーステアなどを、安全な速度域で実習できる。経験豊かなドライバーでも、振り回せる楽しさがある。もう少し、シャシーを引き締めたいと感じるかもしれないが。

マツダMX-5(ロードスター) 2.0スカイアクティブG 184ホムラ(英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター) 2.0スカイアクティブG 184ホムラ(英国仕様)

一方、市街地を普通に走らせるだけでも、運転の喜びは享受できる。乗り心地はスポーツカーと思えないほど快適で、舗装のツギハギやマンホールも滑らかに処理してくれる。

1つ指摘するなら、高速巡航時はソフトトップを閉じていても風切り音が大きく、ロードノイズも小さくない。鋭い段差を通過すると、オープンボディが故の振動が伝わってくる。展開式ハードトップのRFでも、完全に排除できているわけではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。

マツダ・ロードスター 2.0スカイアクティブGの前後関係

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