スコットランドのオフロード車専門メーカー『マンロー』 新体制で事業拡大 ニッチ市場に見出したチャンス

公開 : 2026.06.08 17:05

鉱業や林業などの産業用途に特化した電動オフロード車を開発・生産するスコットランドの『マンロー(Munro)』が、大幅な事業拡大に向けて英国に新工場設立を計画しています。新経営陣の下、年間数千台の生産を目指します。

経営陣刷新、年間数千台規模へ

スコットランドのEVスタートアップ企業『マンロー(Munro)』は、産業用途のオフロード・ユーティリティ・ビークルの世界的サプライヤーとなることを目指し、大幅な事業拡大と新型車の投入を計画している。

同社は2023年に最初のモデル『シリーズM』の受注を開始し、従業員20〜30名を擁するイースト・キルブライドの拠点で小規模ながら順調に生産を進めている。

マンローは鉱業や林業など産業用途に特化したEVを生産している。
マンローは鉱業や林業など産業用途に特化したEVを生産している。

しかし、新CEOのアヴィナッシュ・ルグーバー氏とCFOのティム・ホルブロー氏は、生産拠点とグローバル展開の拡大を目指している。来年中に新工場を開設し、最終的には生産台数を年間数千台規模にまで増やす計画だ。

AUTOCARの単独インタビューに応じたこの2人(英国のEVスタートアップ企業アライバルで出会った)は、月1~2台の手作業による生産から「桁違いの規模」へとスケールアップする計画を明らかにした。

元エンジニアであり、ゼネラルモーターズ(GM)の自動運転事業クルーズで戦略責任者を務めた経験もあるルグーバー氏は、アライバルを退社した後、マンローへ移籍した。

「マンローこそが、わたしをベンチから引きずり出し、スタメンに戻らせた唯一の企業でした。彼らが小さなチームとして、真に情熱を注いだ製品を作り上げている姿に感銘を受けたんです」とルグーバー氏は語る。

競合少ないニッチ市場に特化

ルグーバー氏は特に、従来の一般消費者ではなく法人顧客を明確にターゲットにしているというニッチなビジネスモデルに惹かれたという。

「それは、誰も聞いたことのないような企業でしたが、マンローは顧客層の中でも魅力的な領域、つまりこれまでほとんど手付かずだった商用車市場に特化して車両を開発していました」

マンローの新CEO、アヴィナッシュ・ルグーバー氏
マンローの新CEO、アヴィナッシュ・ルグーバー氏

ルグーバー氏の指揮の下、マンローはその独自のポジショニングとシリーズMのモジュール性を活かし、法人向けの電動オフローダーが不足する中で顧客の要件にきめ細かく応えていく方針だ。

「最初に狙うのは、鉱業、林業、捜索救助などの分野です。現在、自動車業界では優れた車両が生産されていますが、それらは一般消費者向けに作られています。マンローが手掛ける四輪駆動EVのように、これらの産業向けに真に専用設計されたものは存在しません」

すでに顧客をある程度確保したマンローにとって、次の優先事項は英国に新工場を設立することだ。これにより、顧客が求めるカスタマイズのクオリティを維持しつつ、生産量を拡大できる。その目的は、大手メーカー並みの生産量を達成することではなく、「狙っている顧客基盤の規模に合わせて拡大すること」にある。

CFOのホルブロー氏は、「生産台数は数百台規模で、将来的には数千台まで拡大できると考えています。数十万台規模ではありませんが、設備投資は極めて低く抑えられ、生産技術も非常に柔軟だ」と説明した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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