コロナ禍による低迷から脱した「リバウンド消費」が一巡し停滞か 3月の登録車新車販売

公開 : 2024.04.02 07:05

・2024年3月期の登録車の新車販売を解説
・3月期の新車販売は登録車と軽自動車ともに2桁のマイナス
・2023年度の軽自動車の新車販売はスズキが18年ぶりに首位

「マイナス」が目立つ結果に

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2024年3月期および2023年度(2023年4月~2024年3月)の新車販売台数(速報値)を発表した。

日本自動車販売協会連合会がまとめた登録車の3月期の新車販売台数は、前年同月比19.9%減の30万3216台と3カ月連続のマイナス。一方、全国軽自動車協会連合会がまとめた3月期の軽自動車の新車販売台数は、同23.6%減の14万8228台と4カ月連続でのマイナスとなる。

ホンダ
ホンダ

結果として、トータルでの3月期の国内新車販売台数は同21.1%減の45万1444台と3カ月連続の前年割れ、しかも3カ月連続での2桁減となった。

なお、2023年度の新車販売台数は、登録車が前年比7.8%増の290万3187台と2年連続のプラス、軽自動車が同4.0%減の162万5481台と2年ぶりのマイナス、トータルでの国内新車販売台数は同3.3%増の452万8668台と2年連続で前年実績超えを果たす。ただし、大台の500万台には4年連続で達しなかった。

普通車と軽自動車それぞれの値

登録車の3月期ブランド別新車販売台数

前年実績を超えたのは、新車効果が出たホンダ(前年同月比39.4%増の4万5585台)とスズキ(同13.1%増の1万6550台)の2ブランドのみ。

対して認証申請における追加不正行為の判明に伴って出荷停止を行ったダイハツは前年同月比92.6%減の326台、ダイハツが生産を担うルーミーやプロボックスなどに加えて、豊田自動織機の自動車用ディーゼルエンジンの認証不正に伴ってハイラックスランドクルーザー、ハイエースなどの出荷を停止したトヨタ自動車は同35.6%減の12万3761台と大幅なマイナスを記録する。

トヨタ・ヤリス
トヨタ・ヤリス

また、それ以外のブランドも新車効果に一服感が出ており、日産自動車が同1.1%減の3万6107台、マツダが同45.1%減の1万1509台、スバルが同3.4%減の1万22台、レクサスが同25.5%減の9190台、三菱自動車が同13.7%減の5403台と低迷した。

軽自動車の3月期ブランド別新車販売台数

前年同月比で24.6%増の6万6422台を販売したスズキが3カ月連続でのシェアトップにつき、続いて同29.6%減ながら2万7737台を売り上げたホンダが第2位をキープ。

さらに、同2.9%減ながら2万3125台を記録した日産自動車が第3位に入り、出荷停止が続いたダイハツは同77.1%減の1万4452台と停滞した。

また、デリカミニなどの販売が好調な三菱自動車は同71.8%増の9678台とプラスを継続する。そして、OEM供給を受けるブランドではマツダが同40.8%増の4607台と前年実績超えを果たす一方、ダイハツの出荷停止が響いたトヨタ自動車は同59.2%減の1401台、スバルは同60.1%減の788台と低迷した。

なお、2023年度のブランド別新車販売台数は、前年比7.0%増の55万2251台を記録したスズキが18年ぶりの首位に立ち、長い間トップに君臨していたダイハツは2024年1月~3月の出荷停止が響いて、同21.6%減の44万3694台にとどまった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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