レクサスLBX 詳細データテスト インテリアの質感は高い 意外に硬い乗り心地 モアパワーがほしい

公開 : 2024.06.08 20:25

レクサスが取り組んだ小さな高級車、LBX。若いユーザーがターゲットだからか足回りは思いのほか硬めですが、いっぽうで動力系はリラックス志向。今後は高性能版や快適仕様など、方向性が明確な展開に期待したいところです。

はじめに

小さな高級車はいかがだろうか。もしもひとや荷物を多く乗せることがなくても、内装のハイエンドなマテリアルや遮音性、快適な乗り心地はほしいだろうし、さらにコンパクトカーの活発さや取り回しのよさも兼ね備えていたらうれしいではないか。

誰でも気づきそうなアイデアではあるが、それを実行したメーカーはじつに少ない。商業的に成功を収めた例は、さらに少ないといえる。スモールカーとしては高価なクルマで、十分に納得できる販売台数を稼いだのは、ミニくらいのものだろう。

テスト車:レクサスLBX FWDプレミアム・プラス・デザイン
テスト車:レクサスLBX FWDプレミアム・プラス・デザイン    JACK HARRISON

アウディA1は初代こそうまくいったが、2代目はそこまでの成功を再現できずに苦戦し、どうやら3代目への世代交代はなさそうな気配だ。Q2も同じく、ヒットには結びつかなかった。オペルヴォグゾールが、プレミアムブランドへの転身をアピールしようとしたアダムも、わずかな支持しか得られなかった。

それでも怯まないのが、我が世の春を謳歌するトヨタだ。ヤリスクロスの基本設計を応用して、レクサスLBXを生み出した。それも、単なる様子見で片手間に造ったようなクルマではない。レクサス・ブレイクスルー・クロスオーバーを意味するとされる車名を与えられ、欧州市場の嗜好を明確に意識して開発された初のレクサスだという意欲作だ。

レクサスはこのLBXで、これまでより若い顧客層の取り込みを目論んでいる。英国での年間販売目標は、6000台とのことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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