特徴が見えにくい? オペル・グランドランド・ハイブリッドへ試乗 ファミリーSUVの要求は満たす
公開 : 2025.01.19 19:05
最新プラットフォームを採用した新型グランドランド 広々とした車内空間に好印象な内装 やや非力な1.2L HV 特徴が見えにくいシャシー ファミリーSUVの要求は満たすと英編集部は評価
もくじ
ー最新STLAミディアム・プラットフォームを採用
ー快適なシート 広々とした車内空間 好印象な内装
ーやや非力な1.2L HV 特徴が見えにくいシャシー
ー求められるポイントは卒なく満たしている
ーオペル(ヴォグゾール)・グランドランド・ハイブリッド 1.2 136PS(英国仕様)のスペック
最新STLAミディアム・プラットフォームを採用
オペル(ヴォグゾール)・グランドランドの立ち位置は難しい。BMW X2からトヨタRAV4まで、多くのライバルモデルとしのぎを削ることになる。ステランティス・グループの中だけを見ても、DS7からプジョー3008まで、競合モデルは少なくない。
しかし、いくつかの強みがある。グランドランドは、バッテリーEVからプラグイン・ハイブリッド、非ハイブリッドのガソリンエンジンまで対応した、最新のSTLAミディアム・プラットフォームを採用する3番目の新モデルなことが、その1つ。

これより先行していたのは3008と、ひと回り長い3列シートのプジョー5008だった。新技術という面で、話題性は高いといえる。
しかし、3008とグランドランドの2台がディーラーに並んでいて、価格が近ければ、読者はどちらを選ぶだろうか。恐らく多くの人は、先にフランス・ブランドの方へ足を向けるのではないだろうか。
オペルのデザインチーフ、マーク・アダムス氏率いるチームは、アストラとコルサを魅力的な見た目に仕上げた。しかし、中型SUVに同等の訴求力を与えることには苦労したのかもしれない。筆者の好みも大きいが、3008の方がカッコ良く感じてしまう。
フロントマスクには、バイザーグリルと呼ばれる、アクリル製のパネルが輝く。その中央に据えられたロゴは、LEDでほのかに灯る。視覚的な特徴と呼べるのは、その程度かもしれない。
快適なシート 広々とした車内空間 好印象な内装
だとしても、扱いやすい賢明なファミリーSUVをお考えなら、グランドランドは検討候補へ加える価値がある。ステランティス・グループのコンポーネントを巧みに活用し、実用性に優れた扱いやすいモデルに仕上がっている。
オペルが以前から強みとするのが、人間工学。それに基づいて開発されたシートは、座り心地が良い。試乗車は電動ではなかったが、太股を支えるボルスターにランバーサポートの具合や、座面の角度などを手動で調整でき、快適な姿勢へ落ち着ける。

内装の素材も好ましい。最近は環境に配慮した合成皮革が珍しくないが、グランドランドには風合いの良いリサイクル・テキスタイルが多用されている。明るめの色調で、開放的な雰囲気も演出されている。
車内空間も実際に広い。リアシート側にもゆとりがあり、荷室容量は550Lとクラストップ・レベル。小物入れも各所に用意されている。
ダッシュボードとメーターパネル、ステアリングホイールの位置関係も、プジョーのi-コクピットとは異なる一般的なもの。シフトセレクターは自然に手を伸ばした先にあり、エアコンの操作パネルには実際に押せるスイッチが並ぶ。
インフォテインメント・システムは、ステランティス・グループ共通のソフトウエアが稼働するが、エアコンの操作がないぶん扱いやすい。反応はやや遅れ気味だが、横に長いタッチモニターの位置も良い。車内空間は、明らかにセールスポイントだ。