アストン マーティン 2030年までにEV発売 ハイブリッド車と派生モデルにも注力、今後の計画は
公開 : 2025.02.06 06:05
ミドエンジン車
フェラーリに対抗すべく、アストンは近年、エイドリアン・ニューウェイ氏が設計したヴァルキリーや今後発売予定のヴァルハラなど、ミドエンジン・スーパーカーの分野に進出している。
ニューウェイ氏は現在、アストン マーティンのF1チームで働いている。ホールマーク氏は、ヴァルキリーの後継車が登場する可能性を否定しなかったが、そのような技術力の限界に挑むようなモデル開発は「7年か10年に一度」のプロジェクトだと述べた。

「他社よりもはるかに先進的なクルマを、毎年開発するだけの資金力や情熱を持つ自動車メーカーは多くない。そんなことをすれば、会社が潰れてしまうだろう」
ホールマーク氏はヴァルハラの後継車については明言を避け、そのプラットフォームは低価格車には使用できないと示唆した。
「2020年代の後半を見据えると、これはBEVの発売加速と中核となる製品ラインナップの再定義に関するものだ。高性能スポーツカーブランドとして成功するためには、ミドエンジン車が重要であることは疑いようがない」
「ヴァルハラは全体として非常に洗練されたプラットフォームであるため、手頃な価格のミドエンジン車を作るには不向きだ。そのため、全く新しいプラットフォームが必要となるが、まだ何も決まっていない。可能性がないわけではないが、まだ決定事項ではない」
また、ホールマーク氏は超限定生産の特別モデルの収益性についても言及し、ヴァルハラとフロントエンジン車のヴァンキッシュを「特別モデルを数台生産するためのベース」として使用すると述べたが、「市場が限られているため、特別モデルにばかり夢中になるつもりはない」とした。
そのような特別モデルは、「(ベース車とは)全く異なるコンセプトだが、コアとなる技術を流用している」とのことだ。
DBXへの期待
ホールマーク氏は、これまでのところ販売台数が予想を下回っているにもかかわらず、SUVのDBXに大きな期待を寄せている。ベントレーのベンテイガが発売後数年間苦戦したことに例に挙げ、DBXの認知度を高める必要があるとした。
「2018年、ベンテイガは年間3500~4000台しか売れない失敗作と見られていたが、少しの改良と多くのコミュニケーションにより、2023年には8000台近く売れるようになった」

「誰もがDBXを知っているわけではない。米国に行ってブランドと製品の認知度を見ると、高級車の購入者のうち、当社がSUVを製造していることを知っているのは40%程度だ。我々はコロナ禍のさなかにDBXを発売したが、その発売の仕方には問題があった」
「その後、DBXのポジショニングを見直し、価格設定も変更した。しかし、わたしは基本的に、高級セグメントのシェアの52%がSUVであるなら、我々にもSUVが必要だと信じている。(DBXは)まだやるべきことをすべてやり遂げたわけではない」
「今後1~3年、この分野に注目してほしい。我々はライフサイクルを通じて攻勢をかけ、人々に戻って来てもらえるようにするつもりだ。2ドア車が持つ強みを維持し、ヴァルハラのエキゾチックな魅力をさらに高めたい。スポーツカー、スーパーカー、ハイパーカーというストーリーをうまく進めていくが、SUVも成功させるつもりだ。なぜなら、素晴らしいクルマだからだ」























