アストン マーティン 2030年までにEV発売 ハイブリッド車と派生モデルにも注力、今後の計画は
公開 : 2025.02.06 06:05 更新 : 2025.02.06 13:42
アストン マーティンはハイブリッド車の展開を進め、2030年までに初のEVを発売する計画だ。新社長エイドリアン・ホールマーク氏が、電動化やミドエンジン車など今後の展望を語った。
ベントレーから移籍の新社長が語る「未来」
英国の自動車メーカーであるアストン マーティンは、ハイブリッド車のラインナップを急速に拡大し、今後数年間でモデルのバリエーションを増やしていく予定だ。そして、2030年までに同社初のEVを発売するという。新社長のエイドリアン・ホールマーク氏が明かした。
ベントレーの元社長であるホールマーク氏は、昨年9月にアストン マーティンのCEOに就任し、次の10年戦略の見直しに取り組んでいる。

ホールマーク氏は、アストン マーティンは「素晴らしいブランド」であり、「大きな可能性、素晴らしい株主、将来への投資、そしてこれまでにない、夢にも思わなかったような製品ラインナップ」を持っているため、同社への移籍を決意したと語った。
同氏によると、近年、高級車の購入者数が劇的に増加したことで、アストン マーティンの潜在的な市場競争力が拡大しているという。そして、今後の成功の鍵は「安定した計画」にあり、「5分毎に計画を破棄しても興奮は生まれない」とした。
アストン マーティンでの課題
2018年からベントレーに務めてきたホールマーク氏だが、アストン マーティンへの移籍について、「その機会は突然訪れた。112年ぶりに持続可能な利益を上げられるチャンスが訪れたのだ。できると信じていたので、強い魅力を感じた」と語った。
ホールマーク氏は記者団に対し、「ベントレーだけでなく、すべての高級車メーカーから戦略マニュアルを入手しているので、その目標を達成できると確信している」と自信を見せた。

「この10年から15年の間に市場は完全に変化し、高級車メーカーの見通しも変わった。10年前、20年前に遡れば、高価格帯の製品を購入する人々の数は、現在とは比較にならないほど少なかった。高級車の購入者数と富裕層は4倍に増加し、高級車市場は飛躍的に拡大した。そして、それに比例してアストン マーティンのような企業のチャンスも増加したのだ」
ホールマーク氏は、4年前にローレンス・ストロール氏率いる企業連合が買収して以来、アストン マーティンに対して行われた投資の規模にも魅力を感じたという。
「わたしが過去25年間、直接または間接的に関わってきたブランドでは、アストン マーティンが過去18か月間に実施したような製品攻勢(DB12、ヴァンテージ、ヴァンキッシュ、ヴァルキリー、ヴァルハラ、その他複数の特別モデルの発売)を試みることは決してなかっただろう」
「ほぼうまくいっていたが、すべてのクルマが発売初日から完璧だったわけではなく、遅れもあった。しかし、その意欲と支出はすべて本物だ。困難はなく、資金不足のせいでもない。真摯に取り組み、高い潜在能力を活かして業績を上げるという決意がある」